Ψ後の晩餐7

第316χ ページ41

───────




｢えーそんな事無いです……わっ？！｣

｢……おお……また地震か。結構大きいな｣

｢最近多いわね……心配だわ〜……｣


斉木くんの家で、お父さんお母さんとコーヒーを飲んでまったりお話している最中の地震だった


お母さんが言うように、最近こういう地震が多い

最初は斉木くんが怒ってるのかと思ったけど、普通の地震だった

現に今も斉木くんは自分の部屋で寝ている


─ガンッ


？！

｢キャッ？！やだ……今の音何？！｣

｢な、何でしょう……？！｣


音がする方を見ていると、ガチャッとドアが開いた


｢楠雄！｣

｢斉木くん！｣

｢くーちゃん大丈夫？！今の音……｣

《大丈夫。ちょっと照明が落ちてきただけだ》

｢全然大丈夫じゃないだろ！！｣
｢全然大丈夫じゃないでしょ！！｣


目の前の斉木くんは上から落ちてきた照明を被っていた

これは斉木くんじゃなければ死んでいたかも知れない……
恐るべし斉木くん……


｢怪我はない？！くーちゃん！！｣

｢全く……そんなのに当たるなんてらしくないな｣

《寝てたら急に落ちてきたんだ》


斉木くんがペイッと床に捨てた照明を拾いながら時計を見た


斉木くん今日結構遅くまで寝てたんだなぁ


｢寝てたってもうすぐ11時だぞ｣

《昨日遅くまで本を読んでいたからな》

｢なるほどそれでかぁ｣

｢オイオイしっかりしろよ春休みとはいえ……お前も明日から高校３年生なんだぞ｣


そうだ
春休みは今日で終わり
短い間だったけど……

高校３年生……やだな……


｢そんなんじゃ僕のような立派な大人になれないぞ！｣

｢……それって誰のことですか？｣

｢今僕って言ったよね？！｣

《…………そうか……もうそんな時期か……》


斉木くんは真面目な顔で踵を返す

どうしたんだろ？
嫌なのかな……
斉木くんも……


｢？何だどこか行くのか？｣

《新学期の準備をしてくる》

｢……？｣

《そういえばさっきの地震で立派な大人のコレクションが1つ残らず倒れてたぞ》

｢えぇっ？！｣


斉木くんは玄関から外に
お父さんは自分の部屋に向かった


斉木くんどこに行くんだろ……？


｢うわぁぁフィギュアー！！｣


2階から物凄い声が聞こえ笑っていると、下に来たお父さんに怒られた
本気で怒られた訳じゃないけど、本気で悲しんでた


｢手伝います…………｣

第317χ→←第315χ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す