Ψ後の晩餐6

第234χ ページ7

結局、お兄さんは祖父母の家にお世話になるみたい

それを電話でおじいちゃんに伝え、そろそろ帰るかとみんなで車に向かった


あれ……
私なんか忘れてる……
…………あ！！

おばあちゃんから借りた巾着！！
どうしよう……！どっかに置き忘れちゃった……！どこに置いたかすら覚えてない……
財布も入ってるのに……
借りた巾着だからどっかに置き忘れちゃったなんて言えないし……
とりあえず射的の所に戻ってみよう！


｢あの……！私、トイレに行ってきます……すみません、戻っててください！｣

｢ん？ああわかったよ！じゃあ先に行ってるね！｣


みんながゾロゾロと戻る中、私は射的の屋台へ走って戻った


｢はぁっ、はぁっ……無い……どこだろう……置き引きされちゃったかな……どうしよう……｣

｢ん？おねぇちゃん射的やらないのかい？｣

｢あっ、すみません、ここに巾着置いてませんでしたか？｣

｢見てないよ｣

｢わかりました……ありがとうございます｣


うわぁどうしよう……


他に検討がつく所が無く、とりあえず辺りをうろちょろしてまわった


ないなぁ〜……
財布ごと無くしちゃうなんて最悪だ……
それに思い出のある巾着とかだったらどうしよう……


《何を探してる》

｢わっ！！｣


急に後ろから声をかけられ、振り返った


｢斉木くん……戻ったんじゃなかったの？｣

《何探してるか聞いてるんだが》

｢あっ……えと…………おばあちゃんから借りた巾着…………どっかに忘れちゃって……｣

《はぁ……見つけないと帰れないだろ》

｢ごめん……もう少し探させて｣

《……念写は使えそうにないな…》

｢一緒に探してくれるの……？｣

《だから見つけないと帰れないんだろ？僕は早く帰りたいんだ、さっさと見つけるぞ》


なんて優しいんだろう


｢ありがとう斉木くん……｣

《どこに置いたか全く覚えてないのか？》

｢覚えてないの……｣

《先程も言ったがその持っていた巾着がどんなものか覚えてないから念写は使えない。写真とかないのか》

｢撮ってない……というか持ち物全部巾着に入ってるの……｣


斉木くんは顎に指を当て考え始めた


私はとにかく探すしかない……！

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