Ψ後の晩餐6

第245χ ページ18

出口の前でのびをして待っていると、"斉木早くないか？"と聞こえてきた

海藤の声だ


｢ふう、だいぶ狭かったな｣

｢おもしれぇなこの穴！｣


海藤が這い出てきた
続いて燃堂も出てきて、あとは残りの2人を待つだけだ


｢いったああああ！｣


？！


｢何だ？！今のAさんか？！｣


響いた悲痛の叫び

Aさんの声だ……！
何があった？！


千里眼で見てみると、Aさんはどうやら膝を何かに擦った様で、血が出ていて顔を歪めている

ガラスの破片でも埋まっていたのだろう

今ここで僕が戻る訳にもいかない
先頭で出てきてしまったからな……
ここは窪谷須に任せよう


どうもスッキリしない心地だが、今はそれしか無い


｢大丈夫か2号ーっ！｣


燃堂が2人に向かって叫ぶと、"とりあえずそっちへ行く"と返事が聞こえた


｢大丈夫なんだろうか……Aさん｣


大した怪我では無い


海藤がソワソワしながら待っていると、2人が出てきた


｢よし、出たぞA！大丈夫か？｣

｢うん、大丈夫……！ちょっと痛むくらい｣

｢悲鳴が聞こえたから心配したぜ！｣

｢無事で良かったぜぇ2号！｣


ちょっと痛むくらいといいながら結構血が出ているぞ
復元は使えるがここまで目立つ傷が一瞬で治るのはさすがに不審だ

痛むかもしれないがしばらくそのままでいるしかないな


(斉木くん……)

《なんだ》

(めっちゃ痛い……)

《今復元は使えない。もうしばらく辛抱しろ》

(うぅ……斉木くんおんぶ｢A！俺おぶるわ。乗れ。あんまり歩ける状況じゃねぇだろ？｣

｢あ、うん……！ありがとう……！｣



Aさんはそのまま窪谷須の背中に乗った

まるで会話が聞こえていたかの様なタイミングの窪谷須の発言

助かった

おんぶをしなくて済んだ


｢ごめんね窪谷須くん……重かったらすぐに降ろしてね｣

｢あ？乗ってるかもわかんねぇよ！｣


2人でケラケラ笑う後ろで、荒波が立ち始める

……おっと、またコレか

超能力が勝手に出てしまうコレも、抑えないといけないな

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