【ky】ダンボールに拾ってくださいと書いてあったので拾ってやった。

3箱 ページ3

「オイ、お腹すいた。飯だせ」

「お前それが拾ってやった人への態度かよ」

机に座った瞬間偉そうに言うキヨ。

取り敢えず台所に置いてあったカップラーメンを渡した。

「…えーと…俺カップラーメンってやつ食べた事が無くて…」

は？カップラーメン食べた事無い奴とか今時いんの？

「え、何？キヨってもしかして富豪？」

「な、な訳ねーだろ！？いいから作ってくれよ！」

仕方なく私はキヨにカップラーメンを作ってやった。

「うおお…！これが噂のカップラーメンか…頂きます…」

すると、美味しそうに食べるキヨ。

さっきバイトでご飯食べたけど、またお腹空いてきたな…

「この飯テロ野郎！！」

「あ？何だよいきなり…」

しかしこんな夜遅くから食べるのは健康に悪いので、気を紛らわそうとキヨに質問した。

「キヨってなんであんな所に一人ぼっちだったの？」

「ん？…えーと…それ言わなきゃ駄目か？」

「当たり前じゃん。何も知らない人と一週間やっていける訳なかろう」

「だよなぁ…実は…親父から逃げたんだよ」

親父から逃げた？

それってつまり

「家出？」

「ん〜…これは家出と言っていいのか？…親父と同じ道を俺は歩みたくなかったんだよ。俺は俺のしたい事をしたいんだ。じゃなきゃ俺は何の為に生まれてきたのかわからなくなる。」

「へー…で、行き先もなくあの場所に居たと」

「…はい。」

…いい大人がそんな子供っぽい理由で家出とか

「ブホッ」

「オイ、テメー何笑ってんだ…だって俺のしたい事にめっちゃ反対してくるんだぞ！？それで俺と同じ道を歩めとか意味わかんねーよ！」

「ん？キヨは何になりたいの？」

「ゲーム実況者。なのに親父は会社を継げとか言ってくんだぞ！？」

ああ…ちょっと親父さんの気持ちも分からなくはない。

「大体あんな大手企業の社長になる親父が悪いんだ。俺はあんな所で働くなんて嫌だ」

親父さん大手企業の社長さんなのかよ！？

4箱→←2箱

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す