ばかじゃないの

鈍感野郎 ページ10

side:Shr



｢お疲れ様でした、失礼します！｣



部活が長引いたからいつもより素早く着替え、部室をでる。


視線で風磨くんが頑張れよって伝えてくれたおかげで、勇気がでてきた。


聡が待ってるんだから、急がないとね。



『あ、勝利〜！！』



ブンブン手を振ってこっちに走ってくる聡。


…あれ？正門で待ってるんじゃなかったっけ。


てかその、それやめて。


手振りながら走るの、可愛いから。


俺も小さく振り返すけど、周りの視線が少し気になる。



｢よっ、こっちまで来てくれたんだね。｣


『うん！だって勝利遅いんだもーん。待てないから来ちゃったよ〜！』



彼女か、お前は。



｢…そ、で？どっかいくの？｣




ほんとはどっか行きたいの間違いなんだけど。




『うん！俺ん家！！』



｢………、は？｣




『今日家に誰もいないからさ、俺が勝利にご飯つくってあげるよ〜！！』






神様…こいつの鈍感をどうにかしてください。

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