ばかじゃないの

ばかじゃないの ページ46

side:Shr





｢…みんな、帰ったな。｣





『…そーだね、』







明らかに落ち着きがない聡に、どう切り出そうかと考えること数分。






たぶん、この微妙な距離感がだめなんだよね。






｢あのさ、…もうちょっとこっち来てくれない？｣






『うん、』






｢…あのね、それ全く近づいてないから。｣






『ご、ごめん』





言いつつもなかなか距離は縮まらず、2人で教室にいるのになぜか机を4つも挟んだ先にいる聡。






あー、もう







さっきまで大人しく座っていた俺だけど、この距離感に耐えられなくて自ら距離を詰めに行った。







『え、ちょちょ、ちょっとまって』







｢待たない。｣








腕を掴んで聡が逃げないようにすると、観念したのか抵抗しなくなった聡。








｢…聡、こっちむいて。今からすげー大切なこと言うから。｣








『なに…？』









｢すき。｣









『えっ、と、それは…』








｢聡のことが、すき。…俺と付き合って？｣









『っ！俺も！俺も勝利のことすき、です！』









｢うん…笑、で、付き合ってくれるの？｣








『も、もちろんっ！』








勇気だして、言ってよかった。








俺、今世界で一番幸せ者かも。









『…しょーり、だいすきっ』









ちゅっ









｢っ！？！おい、…ここ学校！教室！わかってんの…？｣









『だって、したかったんだもん。…だめ？』









｢…もう、ばかじゃないの//｣







こんなばか、俺以外誰が面倒見るの。







いや俺以外にそんなやつ必要ない。








｢…聡、すきだよ、｣








『俺もすきっ』







ただの友達止まりだった俺は、







今日から、君の恋人になりました。

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