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#44 -バイト組- ページ44

軽く事故だった飲み会から1週間が経った。
今日は最俺の実写動画という場をお借りして、バイト組にドッキリを仕掛けたいと思ってます。
内容は「実は私キヨくんと付き合ってるんだよね」というもの。
ベタだけどまぁ驚いてくれるだろう…きっと。

今最俺ハウスにはヒラくんとフジくんしかいない。
カメラにも気づかれていないようだし絶好のチャンスだ。

『フジくんヒラくん。話したいことがあるんだけどいい?』

ヒ「ん?何ー?」

フ「どした?」

フジくんはスマホから目を離してくれたが、ヒラくんは百合漫画を見てる顔を上げてくれない。
諦めてそのまま話すことにした。

『あのね…キヨくんと付き合うことになった』

私が小さい声でそう言うと部屋に沈黙が走った。
どうやらフジくんもヒラくんもフリーズしてしまったようだ。
これじゃあ動画的につまらない。
何かこちらから仕掛けてみるか…?

フ「マジで言ってる?」

『うん。マジ』

ヒ「嘘じゃないよね?」

『私、嘘吐かないよ』

ごめん。マジじゃないし、嘘吐いてるわ。
なんか罪悪感で胸が痛い…。

フ「おっ…おめっでと!」

フジくんはぎこちない笑顔でそう言ってくれる。
そりゃ幼馴染みに彼氏できたらショックだよね…。
私だってフジくんに彼女できたらショックだもん。

ヒ「キヨならAのこと幸せにしてくれるよ!」

ヒラくんなんてもう半泣きだ。
ヤバい私も泣きそう…。
ネタばらしをする前に私の目からは涙が落ちた。

フ「A…?」

『ごめんっ!ドッキリです!』

私は涙を拭い笑顔を作ってそう叫んだ。
ヒラくんは涙目で笑顔になり、フジくんは涙目になった。

ヒ「よかったぁー」

フ「マジ心潰れそうだったよ…」

純粋すぎる人たちを目の前にして私はこれからは絶対キヨくん以外の人にイタズラをするのは止めようと思った。

その後全く関係の無いキヨくんが編集をしてくれて、投稿された動画にはたくさんのコメントが寄せられた。
私のことを批難していた人もこの動画を見て心が動いたようだ。
これをきっかけに私を最俺の幼馴染みとして世間が受け入れてくれたのだった。

フジくんヒラくんありがとう。

#45 -アブ レトルト-→←#43 -レトルト キヨ-



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作者名:紫燕-sien- | 作成日時:2019年11月28日 12時

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