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#16 -キヨ- ページ16

キ「A明日俺ん家な。強制だぞ」

と、昨日最俺ハウスで命令されました。
なので今日は嫌々キヨくんの家に行きます。

キ「よ」

私がキヨくんの家に不法侵入すると、珍しくキヨくんが起きていた。
現時刻はam11:00。
キヨくんからしたら今は睡眠の時間だ。

『何の用で呼んだの?』

キ「冷てぇな。ま、座れよ」

キヨくんは自分が座るソファーの隣をぽんっと叩く。
顔だけ野郎は何してもかっこいいのだ。…ムカつく。

『で、何?』

キ「コラボしねぇ?」

まさかキヨくんのからコラボしようなんて言われるとは思っていなかった。
私は豆鉄砲をくらったような顔をしていたのだろう。
キヨくんは笑いながら「ひでぇ顔」と言う。
うぜぇぇぇ。顔だけ野郎ムカつくっ!

『コラボって実況?』

キ「うん…一応実況」

『一応って何?』

まさか…

「実写もやりてぇけどな」

やっぱりね!
嫌だよ!実写なんか!
キヨくんは、立ち上がりキッチンへ向かう。

『わかったよ…でも実写は嫌』

キ「ん。じゃあ今から撮るか」

何でだよ!
てか、キヨくん何食ってんの?

『今からは嫌』

キ「“嫌だ嫌だ”って、ガキか」

うるせぇ!
私にだって拒否権くらいあるだろ!
何?私に人権は無いってか?

キ「心の中で色々言っても俺には聞こえねぇよ」

キヨくんは、パンを口にくわえてもごもごしながらそう言う。

『え、私の心の中読めんの!?』

キ「バーカ。そんな訳ねぇだろ」

キヨくんは、くすりと笑う。
絶対バカにされてるじゃん。
しかもキヨくんかっこいいし!うざい!

キ「よしA。来い!」

キヨくんは両腕を広げる。
…今日のキヨくんは何かおかしい。
私は不思議に思いながらもキヨくんの腕の中に入る。

『キヨくんどーしたの?』

キ「ごめん…今日だけは許して」

弱々しい声で呟き、強く私を抱きしめる。
ギャップに萌える私にとって、今は最高のシチュエーションだ。

これは後々フジくんから聞いたのだが、このときキヨくんメンタル崩壊してたんだと。
好きな子のことで悩みすぎたらしい。
…相談してくれればいいのにね。

『ねぇキヨくん?』

キ「A…顔上げて」

真面目な声でそう言うから、何かあるんだろうと思って素直に顔を上げたのがバカだった。
キヨくんは、変顔をして私を見つめていたのだ。
ムードなんて微塵もない。

『ねぇ、さっきまでのなんだったの!』

キ「ごめんごめん。でも、Aのおかげで元気出たわ」

キヨくんとは一生友達やってけれそう…なんて思った1日でした。

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作者名:紫燕-sien- | 作成日時:2019年11月28日 12時

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