#25 -キヨ- ページ25
“バカは風邪を引かない”
どうやらそれは嘘のようです。
キヨくんが風邪を引いたそうで…。
LINEで見舞いに来いと言われて仕方なくキヨくん家に行きます。
チャイムを鳴らしても出てこないだろうと思い、勝手に家入ことにした。
寝室のドアを開けるとベッドからキヨくんの瀕死の顔が見えた。
『キヨくんブスだよ』
キ「あ?」
思ったことをそのまま口に出してしまった私に反論する力はあるらしい。
キヨくんは上半身を起こす。
『病人は寝てろ』
キ「今日は甘えていい?」
大人しく体を横にしながら上目使いでそう言う。
あざとい。けど…私の心が揺れた。
『ん。いいよ』
キヨくんはニヤリと笑った。
私はいち早く身の危険を察知し、この場から逃げようとする。
『キヨくん、いろいろ家事してくるね』
キ「ここにいて」
まって、かわいすぎるっ!
私はキヨくんを見ていられなくなり、顔を手で覆う。
キ「こっち来てっ」
キヨくんは私の腕を引き、ベッドの中に入れる。
いわゆる添い寝状態だ。
『お前元気だろ』
キ「全然元気じゃない。A…元気付けて?」
そう言ったキヨくんは脚も腕も使い、私をギュッと抱きしめる。
私がいくら暴れても、キヨくんが離れることはなかった。
強すぎん!?こいつ風邪引いてねぇだろ!と思ったとき…。
キ「大人しくしてて」
キヨくんはそう言って、私にキスをした。
相手はキヨくんなのに、心臓がドクンと大きく跳ねた。
『キヨくっ…!』
また唇を奪われた。
キヨくん上手すぎるからっ…!
ちょっとやそっとのキスじゃ満足できなくなったのであろう。
キヨくんは舌まで器用に使いこなしてきた。
『ふぅ…ん』
そこまでされたら私だって声を我慢することだって難しくなる。
キヨくんは、そんなのお構いなしにキスを続けた。
しばらくしてやっと解放されたときには私は息切れがひどく、なぜかキスマまでつけられていた。
一方のキヨくんはというと寝てしまっている。最悪。
風邪を引いたキヨくんには近づいてはいけない。ということを今日しっかりと学び、私は家に帰った。
が、翌日。
あんなことをして風邪がうつらないはずがない。
私は高熱で数日間寝込むことになったのは言うまでもない。
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作者名:紫燕-sien- | 作成日時:2019年11月28日 12時