【赤葦京治】社内恋愛【黒尾鉄朗】

7話 ページ7

赤葦 side









・・・でも、今。









あなたが目の前にいるから。









「「・・・・・・え」」







お互いに固まってしまった。






黒尾「え、お前ら知り合い？」







流石にこれは驚く。







だって同じ会社だとは………思っても見なかったから。







それに、経理部は俺には縁がなかったから。見かけることもない。






「・・・知り合いっていうか、その…ね？」






赤葦「・・・俺にもなんて言ったらいいか」






よくわからない。







「顔見知り………？」






赤葦「しいて言うなら、そうですね」







黒尾「へぇ、んじゃそんな心配することねーな。よかったじゃん」








「そうだね」





と、優しく笑うAさん。






黒尾「って言っても赤葦のが年下だけどな」









「え"」







“すごい大人っぽいね”





そう、言った。





ようやく、名前も知れた。






声も聞けた。






・・・それだけで満足した。






黒尾「まぁ、仕事は流石にお前の方が長いけどな」





「そりゃあそうでしょ…そうじゃなきゃ私の立場がないんだけど…」






黒尾「お前要領悪りぃしな」





「それ関係ないから！」





と、口論を始める二人とも。





・・・それだけ仲がいいのが伝わってきた。






そんな風に、俺もなれるんだろうか。








だが、もう、









“あの人”と呼ぶことはない。









会社の同僚になったから。








「改めてよろしくお願いします。」




赤葦「こちらこそ、明日からよろしくお願いします」






黒尾「・・・なんだよ、お見合いみてーじゃねぇか」






「なにいってんの、私いなくても頑張るんだよ、クロ」






と、優しい眼差しで黒尾さんを見る。






俺もいつか、そんな眼で見てくれる時が来て欲しいと願ってしまう。









話せば話すほど。









欲張りになってしまうのは気のせいだろうか。







「ふははっ、なんか酔ってきちゃった」







と、そういいながらグイグイお酒を飲むAさん。







黒尾「お前酒弱いくせになに飲んでんだ、アホか






ほんとすまん、赤葦…」








赤葦「俺送って行きますよ」









黒尾「・・・・おう、じゃあ頼むな








あんま可愛いからって虐めんなよ？」









赤葦「・・・大丈夫ですよ」









黒尾「・・・・」

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