【赤葦京治】社内恋愛【黒尾鉄朗】

5話 ページ5

どんどん過ぎて言った毎日も。






明日には総務部へ行かなければならない。





私のデスクの上はどんどん綺麗になっていった。






それと同時に感じる寂しさ。






黒尾「・・・お前なぁ、ちょっと上の階で仕事するだけだろうが」









“んなしけたツラすんな”








と、慰めてくれる黒尾。









私は意外にも黒尾のことを好いていたのかもしれない。







黒尾「送別会やるんだと。結構異動するやつも多いし、メンバーも変わるから」








「へぇ…」








あまり気が進まない。








黒尾「・・・あ、お前の担当も来るらしいからちゃんと挨拶しろよ？」







「え？・・・ぁあ、うん」







一体どんな人なんだろう。







意地悪じゃない人を祈る。







そう思いながら、








今日で最後になったこの仕事も。







なにもミスすることなく、終わった。










黒尾「・・・あ、もしもし









今日はAのこと、よろしくな」






黒尾「・・・おう、良いやつだから、頼むな」









・

・

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そして駅前の近くの居酒屋で送別会が、始まる。





「A先輩が異動しちゃうなんて寂しいです…」






・・・と、胡散臭い言葉を言われるのはもう慣れた。






・・・私がいつもクロといるからって、邪魔だと思ってるくせによく言うよ。






「黒尾さんの隣、空いちゃいますねー」



と、黒尾にすりよる女社員。




黒尾「あー、俺の隣のデスクは書類置くとこになるらしいからな、残念だったな」





それに対してうまくかわす黒尾。






・・・なにが送別会だ。






こんなの早く終わりたい、帰りたい。




切実に。








黒尾「お、赤葦おせーぞ」







・・・え？クロの知り合いなの？









私の担当の“赤葦さん”って人？








とりあえず挨拶しなきゃ。









「総務部異動になりました野宮Aと申します。









よろし________」









“よろしくお願いします”









そう言うつもりだったけど。









言えなかったのは。









__________電車でいつも守ってくれるあの人だったから。

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