【赤葦京治】社内恋愛【黒尾鉄朗】

11話 ページ11

黒尾 side









・・・今日から全てが違う。








会社にいるメンバーも





これから飲む、コーヒーの味も






隣にいるのも。









全部違うんだ。






そんなことを考えながら会社へ向かうのは、ちょっと憂鬱だった。








・・・あいつが居たから仕事も楽しかった部分がもちろんあるから。









・・・だから、せめて。









お前の顔見てから仕事に向かおうかなって、そう思っただけ。









だから、あいつのこと、待ち伏せしてたけど。









赤葦ともう仲良くなったのか、一緒に通勤してるAと赤葦。









そして感じる違和感と、寂しさ。








俺がこんなこと想ってるのなんて、あいつは気づきもしないんだろうな








そうして考えているうちに、Aが声をかけてきた。





「クロ？」





黒尾「おー、赤葦もAもはよ」





赤葦「おはようございます」





「おはよー、どしたのー？」





黒尾「お前の顔拝んでから行こうと思ってな」








「どんだけ私のこと好きなの」








と、おかしそうに笑うA。









・・・さぁ、どれくらいだろうな。








俺もよくわかんねぇわ。







黒尾「自惚れんなアホ」




「はいはい。

じゃあ仕事頑張ってね、クロ」





黒尾「・・・あ、あとコレな」





「よく私の好きなの覚えてたね」





黒尾「お前いつっも買ってるだろうが」







・・・あいつがいっつもアップルティーを飲んでるのは、嫌でもわかるくらいだけどな。






まぁ、いつもコーヒー淹れて貰ってたし。





「ありがとね、クロ」









黒尾「・・・おう。









お前さ_______________」









「んー？」









黒尾「・・・・なんでもねーわ





んじゃあ、頑張れよ」






「うん！！！」







と、笑顔で赤葦の隣を歩くA。









赤葦が羨ましくて仕方が無い。









さっき言いかけたこと、それは……









Aがいつも欠かさずつけてたラペルピンが









今日は付けてないことに違和感を感じた。







それだけじゃない、スーツがちょっとしわがあることもおかしいと感じた。









黒尾「・・・・まさか、な………」

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