【最俺】私の実況の先輩は。【ヒラ】 (ページ6)

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「やっぱり…、やめるよ」

ヒラから貰ったマスクを眺めながら私はそう言った。

「えぇ～、なんでよ」

「だって…」

「もう撮る準備出来てるんだよ？」

ヒラはそう言って私の目の前にあるカメラを指差す。

「でも…」

「もりなが、諦めろって」

最俺のみんながいつも座っているソファーに胡座をかきながらケラケラと笑うキヨ。

そうだ。もう企画内容も決まっている。

あとは私の気持ちだけだ。

フジとこーすけは企画の最終確認をしている。

それが終われば本格的に撮影が始まる。

「………怖いなぁ…」

「…………………」

ポツリ、と呟いただけなのにそっとヒラは私の頭に手を乗せた。

「………？ヒラ？」

「大丈夫。最俺ファンは優しいよ」

ヒラはそう言ってにっこりと笑った。

「………そっ、か…」

私はヒラの言葉に頷いて気持ちを固めた。

「ヒラ、キヨ！私頑張るね！」

「うんっ、頑張ろうね！」

「おー、頑張れ頑張れ」

「それじゃ、始めるよ～」

フジのその言葉とともにカメラのスイッチが入れられる。

さぁ。

初めての実写だ…！