21【ふたりきり】 ページ22
・
ちょうど、心地良い風が体に吹き付け髪や服を揺らす。
Aは一つだけある木枯らし荘の長いベンチに腰掛け空を眺めていた。
「……あ、A？」
「…明日人さん。」
Aは振り向く。風で髪が目に掛からない様に長い髪を耳に掛けた。
そして明日人に隣に座る様、促す。
「どうしたんですかこんな所に。」
「いや、何かさ…Aが居そうだなーっ、て思って。」
「ふ…何それ。」
少し笑い、一つ一つの動作を丁寧にする様にゆっくりと動いた。
そして沈黙が流れ始めた頃に、一つ明日人に質問をした。
・
「…明日人さんは、お母さんが居ないんですよね？」
「！…何で知ってるの？」
「それは情報屋の許容範囲内です。」と意地らしく笑うA。
明日人はそんなAにあはは…、と苦笑し質問の答えを返した。
「…うん、そうだよ。でも、何で？」
「……、どんな気持ちでしたか？」
どうしてそんな事を聞くのか明日人には分からなかったが、それは今は何も知らない振りをした。
返答する為に、その瞬間の事を鮮明に思い出す。
さっきまで生きていた人が動かなくなって、
少しずつ消えていく手の温もり、
呼んでも、反応してくれない、
…死を、目の前で見た。
「…怖かったよ、凄く。」
「…」
「もう、話せないし目を開ける事も無い。
悲しいし、怖いし、辛い……」
「…っ…
…すみません、もう…大丈夫ですから、思い出さないで。」
Aはおもむろに明日人の目元を手の裾で拭う。
明日人は自分が泣いてた事に気づいていなかったのか未だに呆然としている。
Aはすまなそうな顔をして、下を向いた。
今度は明日人がAに問う。
「何でそんな事聞くの？」
Aは少し目を細め、悔しそうな表情を浮かべる。そして小さな声で答えた。
「…ちょっとした情報収集です。」
「はは…そっか…」
絶対にそんな事じゃないのは明日人も分かった。
ただ、Aの顔を見て、そう答えるしたなかった。
今まで見たことの無い、辛そうな顔に。
・
「(きっと…私もいずれ、そんな状況に……)」
でも、それでも、
私は真実を追い求めると決めた。
不意にAの肩の力が抜けた。
それと同時に明日人に重みが掛かる。
「……おやすみ。」
明日人は宝石が散りばめられたAの頬を拭う。
そして、自身もAに身を委ねた。
・
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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Setsuki.(プロフ) - ice.11さん» いえいえ 笑 (2019年7月13日 12時) (
レス) id: 77812d9344 (このIDを非表示/違反報告)
ice.11(プロフ) - Setsuki.さん» 初めて知りましたw何気に面白い知識、ありがとうございます！ (2019年7月13日 11時) (レス) id: 14dbba7e04 (このIDを非表示/違反報告)
Setsuki.(プロフ) - どーもっ！← 度々失礼します！Setsuki.です！プリキュアって、変身にすごく時間かかっているように見えて物凄い速さで変身してるらしいです 笑 (2019年7月11日 18時) (レス) id: 77812d9344 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ice.11 | 作成日時：2019年7月3日 23時
