あの世界で、生きてみたかった。 (ページ6)

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しばらくすると、後ろから足音が聞こえてきた。

これは...あの子かな。

「ラ・イ・リー！」

その子は私の膝を彼女の膝小僧で押し出した。

いわゆるヒザカックン、という奴だ。

とっても親しい奴にしかしないと嫌われてしまう、この村ではこの子しかやらないような事。

「もう...エブリン.....それはやっちゃダメって何回言ったら分かるの？」

「ごめんごめん！でもね、なんか辞められないんだ！特にライリーには！」

この子はエブリン。私の幼馴染で、この村一番の問題児。

そして、今日一緒に旅立つ子の一人でもある。

みんなもう慣れてしまったからか、この子に何をされても動じない様になってしまった。

.....いや慣れたらダメじゃない。

そんな事を考えていた時だった。

「..ライリー。貴方は、なんで15歳になったらこの村を出なければいけないか知ってる？」

「へ？」

どういう事？

「.....ううん！やっぱなんでもないよー！」

何それ。余計に知りたくなるんだけど。

というか、エブリンのあんな真剣な顔初めて見た。何かあったのかな。

「あ、ライリー！このグラスに残ってる氷、勿体無いから食べるねー！」

「いや体壊すからダメ！」

.....考えすぎか。

私はエブリンが言った事を、頭の隅に置いた。