あの世界で、生きてみたかった。 (ページ3)

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第一章. 旅立ちページ3

第一章. 旅立ち__________

　この村では毎年、１５になった者らが旅に出る。

そして、一人前の''ションルボレ''になれた時、初めてこの村に帰ってくる事が出来るのだ。

そして今、私__________

ライリー・ロゼッタは、その旅に出る準備をしていた。

「おい、ライリー、今日は夜ハリケーンが来るらしいから、明日でもいいんだぞ？」

父が心配して私に声をかけてくる。

「いーの！ハリケーンくらいでへこたれてちゃあ、一人前のションルボレになれやしないわ！」

これは事実だ。

それに、今の世の中にはハリケーンよりもっと恐ろしいものがいっぱいいる。

それに比べちゃあ、ハリケーンなんてただの紙切れだ。

私は、母が用意してくれた服を着る。(因みに、戦闘服である。)

全体的に黒だが、所々白いラインが入っているフード。

私好みで、とっても素敵だ。

私は、ベランダで洗濯物を干している母に向かって言う。

「お母さん、有難う！！私、これとっても気に入ったわ！」

「なら良かった。」

そう言って、嬉しそうに微笑んでくれる母。

「姉ちゃん、すっごい似合ってるよ！」

私の服の裾を引っ張りながら、そう言ってくれる弟のカノ。

やっぱり、うちの家族は素敵だ。

すると、妹のユアが私の肩を突いて言う。

「お姉ちゃん、もうすぐ''旅立ちの会''が始まっちゃうよ？」

おっと、いけない。もうそんな時間か。