mysterium �� ページ7
「早いってば！」
グイグイと、引っ張る2人は気にせずに走っていく。
何故か走る度に痛みが走る。マシュも同じようで、走る度に顔をゆがめていた。
『ここらでいいかな？』
『いいと思う』
ぴたりと、二人が止まる頃にはマシュも私も息遣いが荒くなった。
「何もぉ...?」
「...マスター、ここが霊脈のようです」
『困るでしょ？』
「まぁ、確かに。でも」
『カルデアとは繋がらないよ、でしょ？』
「...！」
『あったりぃ〜』
マシュが私の前に立ち警戒していると、急に崩れ落ちた。
「マッマシュ!?」
「...力が、入らなく、...!?」
『警戒しないでよ』
笑顔が大切だよ、と二人で顔を見合わせて笑っている。にゃっははは、と笑っている。
【えっ急に繋がったぞぉ!?】
「ドクター!?」
焦ったような声が、聞こえて来た。ドクターはそのまま、聞いてきた。
【立香ちゃん、そこに居るのは恐らくサーヴァントだ！】
「え!?」
「えーもうバレちゃうの？」
しゅう、と音が聞こえた方を見ると、二人が消え、長い触覚の先をも三つ編みにしている少女がいた。
いや、少女ではなく...何といえばいいのか。中性的な雰囲気を持ちつつ、圧迫するような畏敬を感じる。そう、例えるなら、神霊のような...。
「嗚呼、つまんなぁーい。もうちょっと、長くあの姿で良かったのに」
【待ってくれ、君はもしかして】
「神霊もどきだよ」
【だよね!!】
「え何怖」
彼女はふわりと笑って、いつの間にか手にしていた林檎を食べた。
「はい、これ。食べたら楽だよ」
「っはい」
マシュは、その林檎を手に取るとしゃくりと食べた。
「いや、ごめんね。久しぶりに魔術使ったせいで手加減出来なかったんだ」
「貴女は...誰？」
「あー...、ごめんねぇ。真名は伝えられないんだ。クラスは
「アルターエゴ...ですか？」
「と言っても、切り離されてる状態だったらね。これ以上はアウトだよぉ」
【なっ、】
ドクターの焦った声が聞こえた。
【何だって!?君ほどの英霊が、アルターエゴ!?】
「そうかそうか」
納得した様に、後ろから声が聞こえたと思うと彼女のいた所が抉れた。
音もなく、抉れた？
「マスター、大丈夫かい」
「何だマーリンか」
大丈夫、と言うと彼は含み笑いで、空中を見た。
「吃驚〜。急に攻撃なんて、キャスターのやる事じゃないよぉ」
「では、キャスターのやる事とやらを教えてくれるかい？」
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作者名：瑠璃 | 作成日時：2019年11月3日 11時
