ep.3 意外な交流 ページ7
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ひとり暮らしって大変だ。
最初のうちは授業を受けてサークルに行くだけでヘトヘトだったけど、ようやくそんな生活に慣れてきた。
だから、そろそろと思って受けたバイトの面接。人が足りてないみたいですぐに採用の声が掛かった。
そして今日が初出勤日。もりもり働くぞって事務所のドア開けたら、見知った顔が見つけて驚いた。
「北斗先輩!」
「…新しいバイトってお前?」
「そうみたいですね」
他に誰もいないし?って後ろを振り返れば、北斗先輩は大きなため息をつく。
女の子って聞いたから期待してたんだけどって、なんか樹先輩みたいなこと言ってるし。
てか、待てよ。北斗先輩がここでバイトしてるってことはもしかして樹先輩もバイトしてたりする?
でもそんな私の思考なんてお見通しだった北斗先輩に先手を打たれた。樹は2件先の居酒屋でバイトしてるって鼻で笑いながら言われる。
うわリサーチ不足だったって頭を抱えれば、そんなことでバイト選ぶなって北斗先輩に怒られた。もう、北斗先輩ってなんかあれだ。
「お兄ちゃんみたい」
心の中に留めて置こうと思った言葉は口から出てた。そしたら北斗先輩はげんなりした顔をして、こんな妹いらねーよって大変失礼。
可愛い妹じゃないですかって言ったら、お前は妹と言うより赤ん坊だろって。それにぎゃあぎゃあ言い返してたら事務所のドアが開いて、気の優しそうな店長が二人は知り合いなの?って首を傾げる。
「こいつ、サークルの後輩なんですよ」
「じゃあ松村くんに研修任せちゃっていい?」
「あー、わっかりました。しごきます」
「いやあ、助かるわ」
何ですかそれって私が突っ込む間もなく店長は忙しそうに事務所を出て行っちゃって北斗先輩と二人きりになる。
本気ですかって聞いたら、お前みたいなのの教育係する人が可哀想だからね?って北斗先輩。
「…北斗先輩はいーんですか?」
「まあ俺はお前の扱い慣れてるし?」
ほら行くぞって、ちょっと愛想ないけどやっぱり北斗先輩はお兄ちゃんみたい。なんだか実家のお兄ちゃんを思い出した。
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作者名:sail | 作者ホームページ:http://ma-no homepage
作成日時:2021年2月4日 17時