ベイビー・ラブ (ページ46)

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ep.16 恋と価値観ページ46

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｢ミナ久しぶり～｣

｢マキちゃん…！会いたかった…！｣

｢ずっとサークルなかったもんね｣

長い夏休みが終わって大学が始まった。

バイトがあったから今日のサークルは行けなかったけど、飲み会には参加。樹先輩居るし、マキちゃんにも会いたかったし。

｢んで、樹先輩とはどーなのよ｣

｢ちゃんとお誕生日してもらいました！｣

｢ストーリー見ました～｣

｢ありがとうございます～｣

それプレゼント？って触られる右耳が熱い。樹先輩からもらったイヤリングは夏休みの間、バイトと寝る時以外はほとんど付けてた。

樹先輩とお揃い。先輩の耳にも同じデザインのピアスが光ってる。

｢ちゃんとラブラブなようで何よりだ｣

｢そーいやマキちゃんは大我先輩とどーなの？｣

｢今度2人の時話すって｣

にっこり微笑むマキちゃんは相変わらず綺麗で、良いことあったんだなって確信した。マキちゃんとの恋バナ…絶対楽しい。

じゃあ今度ねって2人で戯れてたら、ねえねえって明るい声が掛けられる。2年生の女の先輩。確か、桃瀬先輩。

今まであんまり話したことないけど、何だろう。

｢南野さんガチで樹と付き合ってるだね！樹自慢してたよ～｣

｢自慢…？！恥ずかしい…｣

｢え、ちょ、南野さんめっちゃ可愛いんだけど｣

ハイテンションでほっぺたをつつかれて目が白黒する。でも、向こうはただただ楽しそうな様子だし、聞かれるままに樹先輩の馴れ初めやらを話してたらめちゃくちゃくちゃ可愛がられた。

いつの間にかマキちゃんは飲み隊に呼ばれてイッキしてるから、桃瀬先輩と2人きり。

頭よしよしされるこの状況は何だ。て、思うけどなんだろうこの既視感。

あ、桃瀬先輩は斎藤さんに似てるんだ。

そう思ったら緊張が解けて、何となくお喋りを続けてたらいつの間にか仲良くなってた。同性の先輩と殆ど話したことなかったから嬉しい。

新しい友達出来たかも。

｢南野さん…いや、ミナでいい？私も｣

｢もちろんです！｣

｢わ、可愛い…いつもこの可愛いのをマキちゃんと樹先輩が独占してたのかぁ…｣

妬けるな？ってなんかオジサンみたいに言われて吹き出したら、盛り上がってるじゃんって声が掛かる。

友達出来て良かったなって横に腰掛けるのは北斗先輩。

相変わらずバイトで毎日会ってたのはこの人なわけで、なんの新鮮さもないけどなんか安心した。