ベイビー・ラブ (ページ28)

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ep.10 ノンアルコールページ28

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｢南野ちゃん、来週バイトメンバーで飲み会あるんだけど来ない？｣

そんなお誘いを受けたのは、朝からのシフトなんて入れるもんじゃないって後悔をしていた平日のお昼のこと。

初めてのテストが無事に終わって、待ちに待った夏休みがやって来た。

残念なことにテスト期間に入ってからは全然サークルがなくて、樹先輩に会えていない。だからあの日の、北斗先輩の部屋での樹先輩とした手のひら越しのキスは夢だったんじゃないかって思い始めてた。

確かめたいけどLINEするのはなんか違う気がして、早く樹先輩に会いたいんだけど機会がない。だから樹先輩に会いたいなぁーって思うの。本当に。

バイト中にも樹先輩のこと考えちゃうんだから私って結構重症。なんて考えていた時、1個年上の大学生である斎藤さんに声をかけられたのだ。

｢私未成年なんですけど大丈夫ですか…？｣

｢もちろんお酒飲まなくて平気よ！｣

てか何この子律儀にお酒飲まないとかめっちゃいい子なんだけど～って斎藤さんに抱きしめられてくるしい。でもなんかいい匂いする。斎藤さんてナチュラル美人だけど香水の趣味までいいのか。

｢じゃあぜひ参加したいです｣

｢おっけー！嬉しい｣

私ずっと南野ちゃんと仲良くしたいなぁって思ってたのって斎藤さん。それに南野ちゃんが来れば松村くんも参加してくれるよねって。私の参加と北斗先輩の参加関係ある？

きっとその疑問はいつも通り顔に出ていたんだろう。すくって笑った斎藤さんが説明をしてくれた。

｢松村くんて私と同期なんだけどさ、あーんま飲み会とか来ないのよね｣

でも南野ちゃんとは何か仲良さそうだし、来てくれるに1票だわって斎藤さんは嬉しそうに笑った。

もしかして斎藤さんて、北斗先輩のこと気になってたりするんだろうか。

｢じゃあ飲み会のグループ招待しとくね～｣

｢ありがとうございます！｣

｢い～え？こちらこそ来てくれるの嬉しいよ～｣

いっぱいお話しようねって言ってくれた斎藤さんに胸がほっこりした。

北斗先輩のことなら何でも聞いてくださいねって気持ちで頷けば、斎藤さんは綺麗に微笑んでくれた。