ベイビー・ラブ (ページ19)

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ep.7 初めてのデートページ19

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｢で、俺に電話してきたと？｣

｢だって北斗先輩しか居ないんですもん～！｣

樹先輩との初デートが急遽決定したということで、マキちゃんに電話したが繋がらなかった。そう言えば彼女は二次会に参加していた気がする。

そこで召喚したのが北斗先輩だった。何度かやり取りしたことのあるLINEのアイコンを開いて通話ボタンをタップすれば、超面倒くさそうな北斗先輩の声がする。

｢俺今日けっこう飲まされてたの覚えてる？｣

｢わかってますけど！さよならした時元気だったじゃないですか～｣

ね、助けてくださいお願いしますってもはや懇願をすれば、仕方ないなってやっぱり北斗先輩は優しい。

｢んで、何が聞きたいの｣

｢このドキドキを……｣

｢は？切るよ？｣

｢嘘！いや……嘘じゃないんですけど、なんか1人でじっとしてらんなくて｣

何だそれって呆れながらも北斗先輩は電話を切らずにいてくれた。北斗先輩に選んでもらった服着ていきますとか、朝ごはんは食べた方がいいですかとか、私のとめどない話へ3回に1回は合図地を打ってくれた。

最近北斗先輩に甘え過ぎてるなと思うんだけど、先輩が許してくれるからやめられずにいる。今日だって、きっとお酒が抜けきってないのにこうして私に付き合ってくれるから、本当に優しいなって思う。

でも、北斗先輩って付き合ってる人の噂とか全然聞かないんだよね。

なんで彼女居ないんですかねえって私の言葉には余計なお世話って北斗先輩。居ないんじゃなくて作んないのって、恋愛に関してはお子ちゃまな私にはあんましよくわからないけど。

｢A｣

｢あ、はい｣

｢そろそろ寝たら？｣

北斗先輩に名前を呼ばれてハッとする。あれこれお喋りし過ぎてたみたいで、時計はもう3時を指していた。北斗先輩疲れちゃいましたよねごめんなさいって謝れば、別に疲れてはないけどお前明日早いだろって先輩が言う。

｢お兄ちゃん……｣

｢…いつまで言ってるのそれ｣

｢いつまでって、そんなんずっとですよ～｣

｢はいはい、もう寝なさい｣

｢…やっぱりお兄ちゃんじゃん｣

｢うるさいよ｣

明日起きらんねえよって先輩の声は何だか甘く耳に響いて小さくあくびが零れた。北斗先輩って寝かし付けるのも上手なんですね。

｢じゃあ明日楽しんで｣

｢ありがとうございます～｣

｢おやすみ、A｣

｢おやすみなさい北斗先輩｣

パックも明日の用意もしてないけど、もう眠すぎる。とりあえず明日は早く起きようとアラームをセットしてベッドに潜った。