day.2 今夜は鍋にしよう ページ28
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お兄ちゃんになってください。なんて、我ながら意味のわからん提案だったと思う。しかもまだ3回くらいしか話したことない人に。
でも、あの時の私は普通じゃなかったし仕方ない。と、あの一件から1日経った私は思うのです。
｢お、Aちゃーん、丁度良かった｣
｢……田中さん｣
｢何その顔。つかさ、仮にも今俺はAちゃんの兄よね？田中さんは駄目でしょ｣
｢あ………はい｣
今まさにこの提案を取り下げようかと迷っていた所です。とは、言えない。だって田中さんは親切でこんな面倒なこと手伝ってくれてるんだもんね。
｢なあ、今から時間ある？｣
｢まあ普通に暇ですよ｣
｢じゃあ鍋しよーぜ｣
｢……鍋？｣
｢Aちゃんとしたいと思って買ってきたんよ｣
ほら、って田中さんが見せつけてきたのはパンパンのビニール袋。なんか薄々気付いてたけど、田中さんってこの状況楽しんでるよね。
若干の疑いの目を向けつつも、田中さんの親切(?)は甘んじて受け入れる。まあ1人でコンビニご飯ってのも飽きちゃってたし。
前は自炊とかしてたのにな。そういや元彼氏にも作ってあげてたな。……なんか嫌なこと思い出した。
｢Aちゃんの家でもいい？｣
｢いいですけど…｣
｢俺ん家鍋ねーのよ｣
｢よく鍋しようと思いましたね｣
｢あのさ、何か今日は辛辣だね？｣
これが本当の私だから。昨日はちょっと色々あって弱気になってただけであって、いつもあんなに弱弱なわけじゃないし。
｢ま、いーけど。作戦会議しよーぜ｣
｢作戦会議？｣
｢さっき……近くであいつ見かけた｣
だから早く入ろって言った田中さんに促されるまま部屋に入る。田中さんを招き入れるのは今日で2回目だった。
｢さ、鍋作ろうかAちゃん｣
｢田中さん料理出来るんですか？｣
｢ん？全然？｣
｢戦力外じゃないですか…｣
｢いやいや俺はやればできる子だから｣
任してみ？ってドヤ顔する田中さんに笑ったら、心の仕えが少しだけなくなった気がした。怖いって気持ちは消えない。
でも、"お兄ちゃん"が居てくれるから大丈夫。そんな気がした。
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sail(プロフ) - ゆらさん» そのように言って頂けてとても嬉しいです。これからの更新もよろしくお願いします！ (2020年12月9日 1時) (
レス) id: 68c0c1ca67 (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - この小説大好きです！更新楽しみにしてます！頑張ってください(^_^) (2020年12月8日 16時) (レス) id: 52075201ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sail
| 作者ホームページ：http://ma-no homepage
作成日時：2020年11月23日 20時
