day.6 屋根の下 ページ17
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昨日のこと怒ってる？って声とともにドアのノックされる。
松村くんと過ごす初めての休日。ママとパパは友達の結婚式にお呼ばれしてていない。私達はこの屋根の下にふたりきり。
｢怒って、ないよ｣
そう、私は怒ってなんてないのだ。昨日は恥ずかしかったけど、松村くんにももちろん田中くんにも怒ってない。ただ松村くんの顔が見れないだけなんだ。
昨日の一件で知ってしまった自分の気持ちに戸惑ってる。いや、違う。ずっと前から知ってたのに、認めるのが怖かっただけなんだ。
私、松村くんに好きって言われて嬉しかった。ずっと彼に惹かれていたけど、いつの間にか好きになってたんだ。
だからこの家にふたりきりなのが辛い。松村くんの気持ちも知って、どんな顔で彼と過ごせばいいのかわからないから。自分の中の好きが溢れちゃいそうで怖い。
｢あのさ、飯食わない？｣
｢うん、そだね｣
でも、だからと言ってずっとこうしてるわけにはいかない。ママ達が昼前に出かけてから自分の部屋にこもってたけど、そろそろ出ないといけない。ご飯は自分達でお願いねって、ママに言われてたし。
｢どっか食いに行くか｣
｢ううん、私が作るよ？｣
｢え、A作ってくれんの｣
｢作れないと思った？｣
｢いや、嬉しくて｣
ねえ入っていいって聞かれて、もう出るからって返せば勝手にドアが開いた。出るって言ったのにって思ったけど、松村くんの顔を見たら何も言えない。
そんな幸せそうな顔、しないでよ。
｢買い物でも行くか｣
｢今日雨すごいよ？｣
｢じゃあまたAに傘入れてもらお｣
｢それは、もうしない！｣
いつだって私は松村くんのペースに嵌っている。またそんなことしたら松村くんは私の方に傘を傾けて濡れちゃうじゃん。でも、あなたはそれでも嬉しいって言うんでしょ？
私、松村くんのそういう所に弱いの。すごく、惹かれるの。
｢いいよ、じゃあ相合傘して行こ？｣
だから、これはほんの少しの仕返し。松村くんが困っちゃえばいいと思ったから。きっと私が嫌って言うのを想像してたんでしょ？
｢…今日、ふたりきりはやべえわ｣
なんて言う彼はいつもより余裕がなさそう。でもやっぱり私は彼に勝てそうにない。
だって、こんなに熱く抱き締められるなんて、想定外だったよ。
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sail(プロフ) - ゆらさん» そのように言って頂けてとても嬉しいです。これからの更新もよろしくお願いします！ (2020年12月9日 1時) (
レス) id: 68c0c1ca67 (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - この小説大好きです！更新楽しみにしてます！頑張ってください(^_^) (2020年12月8日 16時) (レス) id: 52075201ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sail
| 作者ホームページ：http://ma-no homepage
作成日時：2020年11月23日 20時
