【鬼滅の刃】"隠し子"と呼ばれた最強の隊士-弐-

伍拾-50- ページ2

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「＿＿＿、A、起きなさい。」



いつか見たような光景。



あぁ、私は……またこの夢を。





「A！目を覚ますんだ！まだこちらに来ては行けない！お願いだ！」



私は目を覚ましてるよ？



声が出ないけれど、母様の隣にいる兄に伝えようとする。



「違う……違うんだ……。頼む、起きてくれ……。」




泣き崩れそうになっている兄。

その涙を拭おうと手を伸ばしたところ、いつの間に近くにいたのか……父様に手を掴まれる。




「まだ、やることがあるだろ？A、どうか、弱い人々を守ってあげてくれ。」




そう言われて、ふと、脳裏によぎったのは一葉。



あぁ、そうだ、あの子と一緒に鬼を滅するって……約束したんだ。



もう、誰も悲しまないように、悲劇を起こさないために、一緒に戦うって。



それで、人生を全うして、沢山のお土産話を持ってここに来るって。



なのに、私は……。



「そうだ、お前はまだやらなければならない事が沢山残っている。」



まだ、＿＿＿＿＿＿。




視界が霞んで、自分が泣いていることに気がつく。



何故だろう、涙が止まらない。



ずっと、ここに居たいのに、自分だけは、まだここに来ては行けない。



それに気がついてしまったからだろうか？




「A、どうか私たちの分も……よろしくね」



悲しく微笑む母様は私を抱きしめる。



どうか、笑って……と願いを込め、抱きしめ返すと、世界は暗転した。





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『まだ、死にたくない。』





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