トリップしたのは正反対の双子とその仲間でした？！ (ページ47)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:6,064 hit

誰か助けて…。ｂｙハルカページ47

逃げた先は、物置のような場所。
薄暗く、少し狭いこの空間は俺にとっては心地良い。

ハルカ「足、痛ェな…。」

まぁ、俺は人よりかなり自己回復力が強いからあと一分もすれば治るだろう。
その証拠にサンジさんの傷を移した時の怪我はもうふさがっている。
治らない場合は治癒魔法を使えばいい。
自分にだけ代償なしで使えるなんて、どれだけ自己防衛的なんだろうと
自分を嘲笑う。
命にかかわるほどの大怪我だって本当は治せる。
ただ、自分が傷つくのが嫌だから、使わないだけだ。

ハルカ「…ホント、弱いよなぁ、『私』は…。」

少しでも強くなりたいから、自分を男と偽るようになったのはいつ頃からだろうか。
皆を守りたくて、大事なものをなくしたくなくて、二度とあんな思いをしたくなかったから
ひたすら特訓した。
確かに、『俺』は強くなっただろう。幼いころと比べたら。
だけど、『私』はあの日のまま。弱いままだ。
人を信じるのが怖い、【一人】が好きだ。
でも……【独り】は嫌いだ。
人を拒絶する癖に、孤独が嫌いだなんて…自分勝手にもほどがあるよな。

ハルカ「…馬鹿だよなぁ、独りが嫌なら人と関わればいいだけなのに…。」

そんなこと、わかっている。
でもさ、今まで他人を拒絶してきた私ができるわけないでしょう？

たくさんの人の命を奪ったこの手で人の手に触れることはできないんです。

たくさんの人を消したこの目で人を見ることはできないんです。

たくさんの人の叫び声を聞いたこの耳で人の声を聞くことはできないんです。

たくさんの人を殺すために魔法を唱えたこの口と声で人と話すことはできないんです。

そして

たくさんの返り血を浴びたこのカラダはあってはいけないもので

それを知っているうえで人とかかわりたいと願ってしまう私は

おそらく

本当の『化け物』なのでしょう

わかってるんです。私は人と関わっちゃダメって。
だけど、もしもたった一つ願いことが叶うのならば。

お願いです

誰か

俺を

私を

ハルカ「たすけて…ください・・・。」