トリップしたのは正反対の双子とその仲間でした？！ (ページ22)

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アナタは誰？byはるかページ22

夢を見た。
見渡す限りの深い深い闇。
風も音も、光も自分以外の生命も何もない。
真っ暗な世界。
ここで立ち止まっていても意味はない。
そう考え歩き始めた。

どれくらい、歩いただろうか。
時間すらもわからない。
ここがどこなのか、なぜここにいるのか、何もわからなかった。

――――――････

何かが聞こえた。
女性の声だ。
離れているのだろうか、よく聞こえない

――――――･･････

また、声が聞こえた。
これは･･･唄だろうか。
見渡しても誰もいない。
いや、ここが闇だから何も見えないのか。
そう思ったとき不安になった。
自分はこのまま出られないのではないかと。
走って走って走り続けた。
出口を見つけるために、声の持ち主を探すために

――･･･

次ははっきりと聞こえた。･･･後ろから。
振り向くと十メートルぐらいだろうか、それぐらい離れたところにひとりの女性が立っていた。
さっきまで誰もそこにはいなかったのに･･･何故･･･？

『この世界はお気に召したかい？』

後ろ姿のまま女性は言った。いや、頭に直接声が響いてきた。

『よかったね。あのように逞しく、優しく、勇気あるものたちの元にたどり着けて。』

鳥肌が、たった。
自分があの世界に飛ばされていることを知っていたのだ。
･･･この人が自分と姉さんをあの世界に飛ばしたのか。
直感的にそう思った。

『私は安心したよ。君が壊れないか心配だったんだ。君は強いが脆く儚い。』

今のところは大丈夫そうだね。女性はそう続けた。
やはりこの人は何かを知っているのだ。
一体何者だ？

『私が何者か･･･それを知りたいのだろう？』

！！何で考えていることが･･･。

『それはまだ教えることはできない。君が真実にたどり着き、
　本当の自分を取り戻せるまでは。』

真実･･･？･･･本当の自分･･･？何を言っているんだ。

『ああ・・・そろそろ時間だ。』

そう言って女性は立ち去ろうとした。
俺はその女性の腕を掴んだ。
聞きたいことがまだ山ほどある。
！！
腕を掴まれ振り返った女性の顔を見て目を見開いた。
その顔があまりにも自分の顔に似ていたからだ。
しかし、髪や目の色は自分のものとは正反対だった。
青の髪、それには自分と同じ白のメッシュが入っている。
目は赤と黄色のオッドアイの瞳。
女性の瞳と自分の瞳がぶつかる。

『ほら、仲間が呼んでるよ。』