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10-side K ページ23
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そんな俺を知ってか知らずか、Aちゃんは話を振ってきた
「やめようか迷ってて」
「何が...」
「会社」
「え?!なんでですか、勿体ない...」
「そうだよねー 何でなんだろう」
勿体ない、ね
やっぱり我儘なのか
そりゃあ就職の目処がたってない子からしたら、贅沢な文句だろうな
自らダメな大人をさらけ出している気がして心の中で自虐を始めたとき
彼女がポツリと言った
「羨ましいです」
「俺?」
「はい 海さんは求められてます
比べて私は、誰も必要としてない」
「......なんで生きてるんだろ」
急速に萎む風船のようなAちゃんの姿
そんなこと、言わないで
少なくとも俺にとって、君は光だよ
こんな自分で傷を負った彼女が癒されるのならと
コーヒーであたたまった手の平とともに思い浮かぶ精一杯の言葉を投げかけた
さっきまで疲れきってた気力を忘れたみたいに
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作者名:きぃた | 作成日時:2018年3月6日 11時