113話 ゲーマー ページ45
「あー!!負けたー!!」
コントローラーを投げ出し、ベッドへもたれかかる。
食事が済んだらとっとと帰ろうと思っていたのだが、強制的に玲王の家に無理矢理連れられ、ゲームをすることになったのだ。
最初こそあまり乗り気ではなかったが、やっていくうちに熱は入ってくるものでそれなりに盛り上がっていた。
庶民的な菓子とは見るからに違う菓子を手に取る。
「凪さんゲームすげえっすね」
「んー、今のはちょっとギリだった。Aってぷ○ぷ○得意なの?」
「子供の頃からそれしかやったことなくて……。かわ○たエ○ロ好きっす」
「えー意外」
「よく言われます」
久しぶりに来た玲王の部屋は広く感じられた。
実際、自分の部屋とは比にならないほど広いが。
喉を潤すために恐る恐る高級そうなグラスに手を伸ばす。
果実の瑞々しい味がする茶を喉に流し込めば、グラスがよりいっそう綺麗に映った。
コントローラーを操作している玲王に尋ねる。
「これ美味しいね。なんのお茶?」
「ただのフルーツティーだよ。フレーバーは桃」
「あらやだ。オシャンティー」
「ダジャレ?寒いね」
全くそのつもりはなかったのに凪にあしらわれたせいで自分の言った言葉の意味を理解し、途端に虚しくなる。
「飲み物持ってくるわ」
Aの持っているグラスが空になったのに気づいた玲王がグラスを手に取った。
気を遣わせてしまったようで何だか申し訳ない。
部屋を出ていくと同時にぽつりと呟く。
「高そうな津軽びいどろっすね……」
「江戸切子じゃないの」
「えっ、どっちだろ?」
それより、とベッドに悠々と寝転んでいる凪に少し近づいた。
「凪さんと玲王ってどうやって知り合ったんですか?」
いつの間にかスマホでゲームをして、一瞬だけスマホとのにらめっこをやめる。
「……そう言われてみればどうやって知り合ったんだっけ」
「え。普通忘れなくないっすか?」
「じゃあAは玲王といつどうやって知り合ったのか覚えてんの?」
「多分……?」
「なぜに疑問形」
興味無さげな間延びした声を最後に会話は途切れた。
スマホをタップする無機質な音だけがその場に響く。
ずっと気になっていたことを聞くには絶好の機会だと思い、緊張で張り詰める喉を震わせた。
「やっぱ凪さんと玲王って付き合ってんすか」
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殺痲(キルマ)(プロフ) - 由良の門をさん» コメントありがとうございます!潤くん気に入ってもらえて嬉しいです笑足りない頭で考えてるのでそう言ってもらえて光栄です😭これからも凛ちゃん可愛くできるように頑張ります👍 (5月21日 16時) (レス) id: 8a8d84916b (このIDを非表示/違反報告)
由良の門を - 潤面白すぎる笑笑な○卯ってwwww語彙力高すぎてマジ尊敬します!凛がかわいい笑 (5月15日 23時) (レス) @page25 id: 2f071b2218 (このIDを非表示/違反報告)
殺痲(キルマ)(プロフ) - あいにゃさん» コメントありがとうございます!きゃー!!意味検索してくださって嬉しいです😭💞どれにするかめちゃくちゃ迷ってたのですがマカロンにしてよかった…😌💞 (2023年4月18日 11時) (レス) id: 6f6fe81f90 (このIDを非表示/違反報告)
あいにゃ(プロフ) - マカロンの意味調べた瞬間合掌しました……尊い (2023年4月17日 10時) (レス) @page12 id: 81a8b41ab6 (このIDを非表示/違反報告)
殺痲(キルマ)(プロフ) - 空さん» コメントありがとうございます!うぎぇ!!解釈一致いただきました😭玲王くんはどれだけ愛が重くてもいいと思って好き勝手やっちゃってるので解釈違いだったらどうしようと心配でしたが刺さったようで嬉しいです💞玲王くん重くできるよう頑張ります笑 (2023年4月9日 17時) (レス) id: 6f6fe81f90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:殺痲(キルマ) | 作成日時:2023年3月6日 18時