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74話 ごめんなさいでした ページ47

「なぎぃ〜!!」

「おー、どーどー」

凪に抱きつく玲王をAは冷ややかな目で見る。

こんなに取り乱す玲王は見たことがないので多少驚きもある。

玲王を探すには何の問題もなかったのだが、疲れただのと凪が突拍子もなく言ってきたり、隙を見ていなくなろうとしたりしたのである意味苦労した。

感謝の言葉もクソもなく、そこには玲王と凪の二人だけの空間が出来上がっていて、もはや入る隙がない。

「なんで勝手にいなくなるんだよ〜」

「人多いんだもん。俺、あんまこーゆうの好きじゃないし」

頑なに離そうとしない玲王を引き離しながら凪は言う。

だからといって勝手にいなくなるかね、普通。

玲王もなにそうだよな〜って納得した風に頷いてんだ。

勝手なイメージもあってか、恋人同士の戯れを見せつけられているようで腹が立った。

そろそろ足も限界に近づいてきたので早く着がえたい。

Aの存在が空気になりかけてきた頃、口を開く。

「ねえ、俺着替えたいから退散していい?」

二人が同時にこちらを見る。

とりわけ凪が穴があきそうなほど見てくるのでAは思わず後ずさった。

「Aはなんでそんな格好してんの?」

「Aの趣味」

「おい」

Aが答えるより先に玲王が答える。

今なら殴れるかもしれない。

「玲王探してるとき一緒に歩くのやだったんだよね」

「だからちょっと距離あいてたんスか?」

わかってはいたがそれでも抉るようなストレートなことを改めて言われると流石に傷つく。

当の本人は大きく伸びをして呑気そうに一つ欠伸をした。

「マジでこの格好もうキツいから着替えてくる」

「おっけー。どこ集合?」

「ここからまっすぐ行ったら大広場に多分席とかあっから適当に座って待ってて」

「混んでたら?」

「ヤンキー座りで待機。別に好きなとこ自由に行ってていいよ」

「じゃあ帰るー」

「なんで?」

玲王と凪のペースに飲まれつつ、Aは背を向けて歩き出す。

自分でも疲れきって背中が丸まっているのがわかる。

「A!」

自分の名前を呼ぶ声が聞こえ、振り返ると玲王が手を振っていた。

「ありがとな!」

去り際にAも手を振り返した。

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殺痲(キルマ)(プロフ) - 由良の門をさん» コメントありがとうございます!彼は人の間に入ってもみくちゃにされるのが得意なのでもしかしたら今後サンドバッグとして活躍するかもしれません笑 (6月5日 9時) (レス) id: 57b9dc3a01 (このIDを非表示/違反報告)
由良の門を - モブ男かわいいです笑笑彼の活躍を期待してる自分がいる (6月1日 22時) (レス) @page9 id: 2f071b2218 (このIDを非表示/違反報告)
殺痲(キルマ)(プロフ) - ねぎさん» コメントありがとうございます!新しい何かがほしいと思い爆誕したのがモブ夫でした…。キルマの作品オリキャラが出しゃばってくることが多いので楽しんで頂けて何よりです!モブ夫の活躍に乞うご期待ですね! (2023年4月9日 12時) (レス) id: 6f6fe81f90 (このIDを非表示/違反報告)
ねぎ(プロフ) - モブ夫を待ってる自分がいる、、笑。あひょ本も最高でした!笑 (2023年4月9日 3時) (レス) @page50 id: 37620205ea (このIDを非表示/違反報告)
殺痲(キルマ)(プロフ) - 龍さん» コメントありがとうございます!玲王のやつはちょっと心配だったので気に入ってもらえて嬉しいです🥰応援ありがとうございます!! (2023年3月6日 21時) (レス) id: ff5faac6c3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:殺痲(キルマ) | 作成日時:2023年2月9日 18時

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