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「あはははは!!おまッ、ふっ、やっぱ似合ってねーわ!!腹よじれるわこんなん……」

腹を抱えて笑われた方がマシだと先程まではそう思っていたが、ここまで容姿のことで笑われると流石に腹が立ってくる。

そして、漠然と虚しくなった。

菫色の双眸は涙で潤んでいて、溢れた涙が目尻を伝う。

器用に人差し指で拭って玲王は一呼吸おくと慰めるかのように名前の肩を優しく叩いた。

手を払うふりをして、Aは再びヘアピンで髪を留める。

「来てくれてどうもね」

「ぜーんぜん。ほんとはもうちょい早く着く予定だったんだけど、凪が寝坊してさあ」

「そうなんだ。ところで凪さんどこ?」

「なに言ってんだよ。凪なら隣に___」

玲王は自身の隣を見たが、そこには誰もいない。

玲王の顔から一気に血の気が引くのがわかった。

「な、凪……?」

生まれたての小鹿のように震える手で玲王はAのチャイナ服の裾を捲る。

だが、そこにあるのは細くも太くもないそれなりに筋肉がついた足先を黒のハイヒールで彩った二本の男の足だけである。

「凪……?」

「そこになければないですね」

玲王はぴしりと固まり、死にかけの金魚のように口をぱくぱくとさせた。

裾を離したかと思うと、肩が外れそうな勢いで掴まれる。

「どうしよA!!完全に凪とはぐれた!!迷子になってあいつ、泣いてるかもしれない……!!」

「落ち着けよ、玲王。多分泣いてないと思うし、逆に泣いてんのお前だからね?」

とりあえず電話してみたら?と提案を持ちかける。

こんなにも落ち着いてられるのは他人事だと思っているせいか、笑いに笑われて苛立っているせいか。

「出ねえ……」

「マジか〜……」

72話 凪をさがせ!→←71話 忘れてた



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殺痲(キルマ)(プロフ) - 由良の門をさん» コメントありがとうございます!彼は人の間に入ってもみくちゃにされるのが得意なのでもしかしたら今後サンドバッグとして活躍するかもしれません笑 (6月5日 9時) (レス) id: 57b9dc3a01 (このIDを非表示/違反報告)
由良の門を - モブ男かわいいです笑笑彼の活躍を期待してる自分がいる (6月1日 22時) (レス) @page9 id: 2f071b2218 (このIDを非表示/違反報告)
殺痲(キルマ)(プロフ) - ねぎさん» コメントありがとうございます!新しい何かがほしいと思い爆誕したのがモブ夫でした…。キルマの作品オリキャラが出しゃばってくることが多いので楽しんで頂けて何よりです!モブ夫の活躍に乞うご期待ですね! (2023年4月9日 12時) (レス) id: 6f6fe81f90 (このIDを非表示/違反報告)
ねぎ(プロフ) - モブ夫を待ってる自分がいる、、笑。あひょ本も最高でした!笑 (2023年4月9日 3時) (レス) @page50 id: 37620205ea (このIDを非表示/違反報告)
殺痲(キルマ)(プロフ) - 龍さん» コメントありがとうございます!玲王のやつはちょっと心配だったので気に入ってもらえて嬉しいです🥰応援ありがとうございます!! (2023年3月6日 21時) (レス) id: ff5faac6c3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:殺痲(キルマ) | 作成日時:2023年2月9日 18時

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