70話 ハートで仲良し ページ42
「ちょっといい加減ハート作って！！」
「嫌に決まってるだろ」
もう一度階段を上がり、少し歩いて左に曲がった教室ではチャイナ服を着た生徒がメイド服を着ている生徒に怒鳴っていた。
他の生徒たちは白い目で彼らを見ている。
ナンバーマッチングの確認のために来たはいいものの、数字が合ったペア同士で写真を撮るらしくそれを今、凛に拒否されているのだ。
「ねえお願いだからさあ！！」
「あの、待ってる人もいるので……」
「すんません！！今すぐなんとかするんで！！」
写真を撮るためにスマホを構えている生徒が気まずそうに話しかける。
Aは意地でもポーズをとろうとしない凛と周りの視線に焦りを覚えはじめた。
「凛お願い〜。腕ちょっと上げてハート作ってくれればいいから。代わりに俺、一人でこの格好で練り歩いてやるから。な？」
凛は不服そうに舌打ちをすると、渋々、腕を上げてハートの半分を作る。
安心した生徒の声と共にシャッター音が鳴った。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
教室を出て写真フォルダを確認する。
写真には眉間に皺を寄せた不機嫌な凛と対照的に笑顔を浮かべるAが写っている。
「これ冴さんに送っとこ」
「は？」
冗談だろと言わんばかりに凛が迫ってきた。
凛の顔がさらに険しくなる。
おそらく、というより十中八九何気なく呟いた名前に反応したのだろう。
「どういう意味だ」
「そのまんまだよ。あ、でも今送ってもあっち真夜中だよなあ……。あとでの方がいいか？」
「違う。そうじゃねえよ。何で連絡先持ってんだよ」
「凛の家行ったときもらった。あれ、言ってなかったっけ？」
「知らねえ。消せ、今すぐ」
スマホを無理矢理奪おうとする凛の手を避け、距離を取る。
「いやでーす！いいじゃん別に。減るもんじゃないし」
「そういう問題じゃねえよ」
「ちなみにね、たまに通話する」
「死ね」
どうしてこうも冴のこととなると突っかかってくるのか。
本当に嫌っているのか疑いたくなる気持ちとからかいたくなる気持ちを抑えて、看板を持つとAは廊下を走っていった。
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殺痲(キルマ)(プロフ) - 由良の門をさん» コメントありがとうございます！彼は人の間に入ってもみくちゃにされるのが得意なのでもしかしたら今後サンドバッグとして活躍するかもしれません笑 (6月5日 9時) (
レス) id: 57b9dc3a01 (このIDを非表示/違反報告)
由良の門を - モブ男かわいいです笑笑彼の活躍を期待してる自分がいる (6月1日 22時) (レス) @page9 id: 2f071b2218 (このIDを非表示/違反報告)
殺痲(キルマ)(プロフ) - ねぎさん» コメントありがとうございます！新しい何かがほしいと思い爆誕したのがモブ夫でした…。キルマの作品オリキャラが出しゃばってくることが多いので楽しんで頂けて何よりです！モブ夫の活躍に乞うご期待ですね！ (2023年4月9日 12時) (レス) id: 6f6fe81f90 (このIDを非表示/違反報告)
ねぎ(プロフ) - モブ夫を待ってる自分がいる、、笑。あひょ本も最高でした！笑 (2023年4月9日 3時) (レス) @page50 id: 37620205ea (このIDを非表示/違反報告)
殺痲(キルマ)(プロフ) - 龍さん» コメントありがとうございます！玲王のやつはちょっと心配だったので気に入ってもらえて嬉しいです🥰応援ありがとうございます！！ (2023年3月6日 21時) (レス) id: ff5faac6c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：殺痲(キルマ) | 作成日時：2023年2月9日 18時
