糸師凛、勉強はレッドカード【2】

66話 ミニスカ黒メイド ページ37

あ、そうだ。凛のクラス行こ。

Aは壊れた椅子の修理をしながらそう考えた。

今日は最終日の三日目。

一般客来場も解禁され、文化祭はこれほどまでにない盛り上がりを見せている。

凛のクラスの出し物を確認しようとしたが、まあまあ忙しく予定表を見ることができなかったのだ。

今更、予定表を確認するのも億劫なのでいっそのこと凛のクラスに行ってしまおうという魂胆である。

ナンバーマッチングの確認もしてしまいたいので誘うには丁度いいだろう。

凛に絶対来るなと言われたがそんなことは知らん。

Aは休憩をもらい、凛のクラスへと向かう。

昨日と比にならない人ごみをかき分けて凛が
いるであろう反対側の教室のフロアに足を踏み入れた。

教室の装飾からして飲食店か何かの類いか。

Aは上機嫌にドアを開ける。

「りーん！！遊びにきた＿＿＿」

即座にドアを閉める音。

Aの背中に嫌な汗が伝った。

落ち着け、AA。

お前は何も見ていない。

メイド服を着た凛なんて見ていない。

目だって合っていない。

「来んなっつっただろうが」

「ぎゃああああああああ！！」

いつの間にか目の前に鬼の形相の凛がいた。

ドアを開けて無理矢理引きずり込もうとする凛に対抗して、Aは再びドアを閉めようとする。

ドアの前ではちょっとした攻防戦が繰り広げられていた。

純粋な力量ではAの方が上だが、凛の頭にある猫耳のカチューシャが目に入り、不覚にも吹き出しそうになったためタッチの差で負ける。

「その……心中お察しします……」

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