39話 大好きかよ ページ4
本当は夕食前には帰るつもりだった。
明日から学校があるし、いくら休みといってもずっといるわけにもいかない。
だが、意外と凛との勉強が長引いたのと、遠回しに凛に引き止められたのでAが折れて夕食を食べてから帰ることになった。
夕食が済んだあとは、少し勉強をして帰る準備をする。
「じゃあ明日学校でね。バイバイ。あ、徹夜とかしないでよ？」
「わかってる」
手を小さく振ったが、凛は見向きもせず教科書にずっと視線を落としたままだった。
凛の部屋を出て、リビングに向かう。
凛の母親に一言を声をかけ、久しぶりに靴に足を通す。
「お世話になりました」
「いいえ〜。また遊びにきてね。ちょっと凛！！Aくん帰るわよ！！」
凛がいないことを不思議に思ったのか、二階に向かって声を出し凛を呼ぶ。
もちろん声が返ってくることも、ドアが開く音がすることもなくただ静かになるだけだった。
凛の母親はため息を吐く。
「ごめんねえ。本当、どうしようもなくて……」
「大丈夫ですよ。多分そういう年頃ですから！」
Aの言葉に凛の母親は頬を緩めた。
最後に軽く頭を下げ、ドアの取っ手に手をかけたときである。
「帰んのか」
リビングのドアから冴が覗いていた。
意外な人物の登場に少し緊張しながら答える。
「あ、はい。お世話になりました」
「送ってく」
「え」
Aは自分の耳を疑った。
固まるAをよそに、Aの隣で冴は靴を履く。
「だっ、平気ですよ！！ほんとに！！」
助けてくれと言わんばかりに視線を送るが凛の母親は心配そうにAを見て言う。
「確かにもう暗いし一人じゃ危ないわ」
「そ、ですかね……」
Aは渋るように首元をさする。
既に準備が済んだ冴を横目に見て、少し申し訳なく思う。
二階から地震が起きたのではないかと思うくらい大きな物音がした。
三人は視線を音のする方へ向ける。
「俺も、行く」
凛は階段を駆けおりてきた。
凛にしては珍しく必死だ。
会話が聞こえているなら呼ばれたとき素直に来たらよかったのにと冷静に思う反面、なぜそこまでして張り合うのかAには理解できなかった。
「え、あ、ちょ、え〜……」
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殺痲(キルマ)(プロフ) - 由良の門をさん» コメントありがとうございます！彼は人の間に入ってもみくちゃにされるのが得意なのでもしかしたら今後サンドバッグとして活躍するかもしれません笑 (6月5日 9時) (
レス) id: 57b9dc3a01 (このIDを非表示/違反報告)
由良の門を - モブ男かわいいです笑笑彼の活躍を期待してる自分がいる (6月1日 22時) (レス) @page9 id: 2f071b2218 (このIDを非表示/違反報告)
殺痲(キルマ)(プロフ) - ねぎさん» コメントありがとうございます！新しい何かがほしいと思い爆誕したのがモブ夫でした…。キルマの作品オリキャラが出しゃばってくることが多いので楽しんで頂けて何よりです！モブ夫の活躍に乞うご期待ですね！ (2023年4月9日 12時) (レス) id: 6f6fe81f90 (このIDを非表示/違反報告)
ねぎ(プロフ) - モブ夫を待ってる自分がいる、、笑。あひょ本も最高でした！笑 (2023年4月9日 3時) (レス) @page50 id: 37620205ea (このIDを非表示/違反報告)
殺痲(キルマ)(プロフ) - 龍さん» コメントありがとうございます！玲王のやつはちょっと心配だったので気に入ってもらえて嬉しいです🥰応援ありがとうございます！！ (2023年3月6日 21時) (レス) id: ff5faac6c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：殺痲(キルマ) | 作成日時：2023年2月9日 18時
