50話 入場券 ページ20
お返し、と聞いてAは思い出したかのようにファイルを取り出し、薄っぺらい二枚の紙を渡す。
「はい。これあげる」
「何これ?」
「入場券。文化祭あるからおいでよ。来れたらでいいけ___」
「行く行く!お前の学校、変な時期に文化祭あんだな」
食い気味の玲王に若干驚きつつも、話を続ける。
「それは俺も思った」
「でも、なんで二枚?」
「いっつも話してんじゃん!凪さんの分だよ」
「あー!なるほど〜。アイツ来るかなあ」
「別に無理しなくていいよ。時間かかるだろうし」
「そうじゃなくてさ、凪が……」
「あー……」
耳にたこができるくらい凪の話を散々聞かされたためか、玲王が言わんとすることを察し、気の抜けた声を出した。
「つーか、入場券って凝ってんな。これなきゃ行けねえの?」
「うん。なんか一般客の中にヤンキーいてちょっと揉めて警察沙汰になったんだって。それ以来、一般入場禁止」
「え、じゃあなんで一般入場解禁されたんだよ?」
「生徒会が頑張ったらしいよ。すごいよねー。その代わり入場券なきゃ入れないけど」
「ふーん……。お前もなんかやるの?」
「なんかって?」
「パビリオンみたいなやつ」
「やるよ。手動○ーさんのハニーハント」
「手動○ーさんのハニーハント」
意味不明な言葉に玲王は思わず復唱した。
○ーさんのハニーハントはわかる。
だが、手動とはどういう意味だ。
「しゅ、え……?」
「人が四人座れるくらいの台車作って押すの。だから手動」
「あ、あー……」
わかったようなわからないような……。
とりあえず返事だけして、手に握られている入場券に視線を落とした。
「もしかしてメイド喫茶でもやると思ってた?」
「思ってない」
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殺痲(キルマ)(プロフ) - 由良の門をさん» コメントありがとうございます!彼は人の間に入ってもみくちゃにされるのが得意なのでもしかしたら今後サンドバッグとして活躍するかもしれません笑 (6月5日 9時) (レス) id: 57b9dc3a01 (このIDを非表示/違反報告)
由良の門を - モブ男かわいいです笑笑彼の活躍を期待してる自分がいる (6月1日 22時) (レス) @page9 id: 2f071b2218 (このIDを非表示/違反報告)
殺痲(キルマ)(プロフ) - ねぎさん» コメントありがとうございます!新しい何かがほしいと思い爆誕したのがモブ夫でした…。キルマの作品オリキャラが出しゃばってくることが多いので楽しんで頂けて何よりです!モブ夫の活躍に乞うご期待ですね! (2023年4月9日 12時) (レス) id: 6f6fe81f90 (このIDを非表示/違反報告)
ねぎ(プロフ) - モブ夫を待ってる自分がいる、、笑。あひょ本も最高でした!笑 (2023年4月9日 3時) (レス) @page50 id: 37620205ea (このIDを非表示/違反報告)
殺痲(キルマ)(プロフ) - 龍さん» コメントありがとうございます!玲王のやつはちょっと心配だったので気に入ってもらえて嬉しいです🥰応援ありがとうございます!! (2023年3月6日 21時) (レス) id: ff5faac6c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:殺痲(キルマ) | 作成日時:2023年2月9日 18時