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ふと、見上げると厚い雲の隙間から一筋の光が漏れている。
先程の土砂降りの雨が嘘だったかのように、すっかりやんでいて、露が照らされていた。
「なんだ、あれ村雨だったのか」
「村雨って何だよ」
いつの間にか隣にいた凛が尋ねる。
淀んだ空気を吸うのに限界がきたのか、外の空気を肺に送り込んでいた。
雨上がりでまだ湿り気はあるが、こちらの方が幾分かマシだ。
「急に降ってすぐにやむ雨のこと」
「にわか雨のことかよ。にわか雨って言え。まどろっこしい」
「こういうところから学力の差が生まれるんだなあ」
「あ？」
「おー怖い怖い」と冗談ぽく言うと、窓から離れ、ソファに座る。
凛はまだ気分が優れないのか窓に突っ立っていた。
「そうだ。来る途中で斎賀さんと会ってさ」
「はぁ！？」
座ったかと思えば勢いよく振り返ってソファの上で膝立ちする。
Aの声に驚いて凛の肩がびくりと跳ね上がった。
「コーチだいぶ前に茨城かどっかに引っ越したじゃん」
「なんか会場準備で東京に来てたみたいでさ。テーブルに封筒ない？」
ソファの前にある少し散らかったテーブルに手を伸ばし封筒を探す。
それらしき真っ白な封筒を見つけ、糊付けされた口を乱雑に開いた。
「ユース選抜があるんだって。見に来るだけでもいいからどうかって」
「えー……。行かないよ、もうやめたし」
Aは窓際に突っ立っている凛に目を向けた。
どこかぼんやりと遠くを見ているだけなのにそれだけでも絵になった。
会話は聞こえているだろうが話の内容はそれほどわかるものではないだろう。
リビングに染み付いていた気色の悪い匂いは薄れていた。
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殺痲(キルマ)(プロフ) - 由良の門をさん» コメントありがとうございます！彼は人の間に入ってもみくちゃにされるのが得意なのでもしかしたら今後サンドバッグとして活躍するかもしれません笑 (6月5日 9時) (
レス) id: 57b9dc3a01 (このIDを非表示/違反報告)
由良の門を - モブ男かわいいです笑笑彼の活躍を期待してる自分がいる (6月1日 22時) (レス) @page9 id: 2f071b2218 (このIDを非表示/違反報告)
殺痲(キルマ)(プロフ) - ねぎさん» コメントありがとうございます！新しい何かがほしいと思い爆誕したのがモブ夫でした…。キルマの作品オリキャラが出しゃばってくることが多いので楽しんで頂けて何よりです！モブ夫の活躍に乞うご期待ですね！ (2023年4月9日 12時) (レス) id: 6f6fe81f90 (このIDを非表示/違反報告)
ねぎ(プロフ) - モブ夫を待ってる自分がいる、、笑。あひょ本も最高でした！笑 (2023年4月9日 3時) (レス) @page50 id: 37620205ea (このIDを非表示/違反報告)
殺痲(キルマ)(プロフ) - 龍さん» コメントありがとうございます！玲王のやつはちょっと心配だったので気に入ってもらえて嬉しいです🥰応援ありがとうございます！！ (2023年3月6日 21時) (レス) id: ff5faac6c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：殺痲(キルマ) | 作成日時：2023年2月9日 18時
