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37話 ページ38

あの塔に立つ。

風が私の頬を撫でる。

ここなら死んでもいいと。

ここなら幸せになれると。

そう思った。

いつか誓った場所。

そんな場所で死ぬなんて罰当たりなのはわかってる。

でも、ここでいなくなりたい。

ここで消えたいんだ。

空「A。」

貴「邪魔するの?」

空「なんで、死のうとするんだよ。」

貴「私の生きる意味が無くなったからに決まってるじゃん!」

空「なんで?無くなってなんかないでしょ。」

貴「死んじゃった!

私の、誓いをしてくれたお兄ちゃんが!

空助はお兄ちゃんじゃないんだよ!

誓いが無くなった私は、

・・・どんな顔して生きていたらいいのかわからない。」

空「お兄ちゃんは死んじゃったかもしれないけど、

僕は生きてるよ?

あの時誓ったのはAのお兄ちゃんじゃない。

僕じゃないの?」

貴「くうすけ・・・?」

空「うん。僕は、斉木空助はここにいるよ。」

貴「空助・・・」

そうだ。空助は最初っから生きてたのに。

お兄ちゃんは空助じゃない。

あの時誓ったのは、

約束したのは私のお兄ちゃんなんかじゃない。

空助だ。

空助は、ここにいる。

私の目の前に。

生きる意味が無くなったわけじゃないんだ。

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まる - 作品を作る前にルールをしっかりご確認下さい。オリジナルフラグをちゃんと外して下さい (2018年10月21日 10時) (レス) id: e347cff417 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:採奈 栗 | 作成日時:2018年10月21日 10時

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