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side_hokuto
結局、今日もAの家に泊まることになり、
Aの両親、樹、A、俺、で晩御飯。
樹｢A、お前もっと食えよ！｣
A｢食べてるよ！樹だって野菜残してるじゃん！｣
樹｢ちゃんと食うし！最後に食べんの！！｣
こんな感じで食事の時間も終始賑やかで、楽しい。
食後、
台所を覗くとAが1人で後片付けをしていた。
｢手伝うよ｣
A｢ありがとう｣
Aが洗った食器を受け取り、拭いていく。
家事を難なくこなすAの姿からは、
樹といる時の無邪気さを一切感じない。
｢いつもあんなに賑やかなの？｣
A｢ごめんね騒がしくて、
…樹が来てからはあんな感じかな｣
と、Aは嬉しそうに話す。
｢樹、すっかり馴染んでるみたいだね｣
A｢うん、馴染みすぎてて怖いくらいよ、
お母さんなんて、"樹くんが帰っちゃったらどうしよう"って言うくらい…｣
｢…Aは？｣
A｢…え？｣
自分でも驚く程、意地悪な質問をしてしまった。
なのに、Aは手を止めて考え込む。
そして、少し、切なく寂しそうな顔をした。
樹｢A〜！！俺のパンツどこ〜？！｣
2階から聞こえてきた樹のアホらしい声で、
Aは我に返ったように笑顔を浮かべる。
A｢知るわけないでしょ！！｣
2階に届くように大きな声で返事をした後、
Aは俺にいたずらっぽい笑顔でこう言った。
｢樹が帰ったら、清々するかもね｣
それは明らかな嘘だった。
最近のAを見てればわかる。
恋愛感情…とまではいかなくても、
Aにとって樹は"かけがえのない存在"
になってしまっている。
いつかそれが、"好き"になりそうで…
俺から離れていってしまいそうで…
俺のモヤモヤなんて知らないAは、
隣で穏やかな笑顔を保っている。
なぁA、その偽りのない笑顔を…
俺は、信じていいんだよな？
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作者名：さいか
| 作成日時：2018年10月1日 22時
