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side_juri
｢おはよ｣
まだ寝ぼけているAに、なるべく優しく声をかけた。
A｢うわぁ！！！｣
しかし、Aをかなり驚かせてしまった。
｢そんな驚くか？｣
Aの驚いた顔がおかしくて、笑ってしまった。
A｢勝手に入ってこないでよ！
てか、どうやって入ったの？｣
それはもちろん…
樹｢ベランダ｣
Aは、｢やっぱりか｣っていう顔をして、
はぁ…と、溜息をつきながら起き上がる。
こんなに賑やかな朝を迎えるのは、初めてだった。
｢お前、寝顔やばかったぞ｣
ちょっとした照れ隠し。
Aの寝顔がまぁまぁ可愛かった…なんて、言えないから。
A｢うっさいなぁ！｣
朝からご機嫌斜めなA。
｢こえぇ…、朝飯できたから起こしてやったのに｣
A｢余計なお世話｣
そんな言い合いを続けながら居間に着く。
｢あら、樹くん起こしてくれてありがとね｣
｢さっそく兄妹みたいだな｣
と、嬉しそうなおばさんたち。
そしてテーブルの上には、
美味しそうな朝食が用意されていた。
米、目玉焼き、味噌汁…
｢うんめぇ！！｣
どれも、すっごくおいしかった。
朝から温かい味噌汁が飲めるなんて…
なんて幸せなんだ。
俺はAより先に朝食を平らげ、学校の準備に取り掛かった。
｢なぁ、北斗と一緒に学校行くの？｣
何気なく、Aに聞いてみた。
A｢北斗くん朝課外あるから、朝は1人｣
｢ふーん｣
そういえばそうだったな…
なんて思いながら準備をしていると、
A｢樹ー！行くよー！｣
玄関から大きな声で呼ばれた。
｢え、一緒に登校？｣
A｢だって、通学路わかんないでしょ？｣
｢あ、そっか…｣
俺はすっかり忘れてた。
今日がここから登校する初日だってことに。
｢待ってて！｣と声をかけ、
部屋にカバンを取りに戻り、急いで階段を駆け下りた。
『いってきまーす』
そうして2人で学校に向かう。
いつもより賑やかな朝。
これから毎朝こんな楽しい時間が過ごせるのか…
俺は久しぶりに、心の底から嬉しいと感じていた。
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作者名：さいか
| 作成日時：2018年10月1日 22時
