cruel and beautiful world (ページ19)

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side_you

帰り道、今日はなぜか北斗くんがあまり喋らない。

珍しく、どこか落ち着かない様子でソワソワしている感じだ。

どうしたんだろう…

少し心配していると、北斗くんは急に立ち止まった。

そして、

北斗｢来週の日曜、空いてる？｣

と、聞いてきた。

その顔は若干緊張している風で、少し可愛かった。

｢たぶん、空いてるよ｣

北斗｢よかった…
もしよかったら、2人で…動物園にでも行かない？｣

それはデートの誘い…なのだろうか。

付き合って約1年、正直、私たちはまともにデートをしたことがなかった。

別にそれは悪い意味ではなく、
ただただこの放課後の時間で私たちは満足していたから。

十分に幸せだと感じていたから。

｢いいよ、行きたい！｣

それでもやっぱり、デートのお誘いはすごく嬉しい。

北斗｢じゃあ…楽しみにしてる｣

北斗くんは満面の笑みで私に近寄り手を握る。

しかも、恋人繋ぎ。

北斗くん、普段こんなこと、なかなかしないのに…

やっぱり今日の北斗くん、どこか違う…

と思いつつも、内心すごくドキドキしている。

それからはいつも通りの、会話が始まった。

でも家に着くまで、私たちの手は繋がれたままだった。

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