烏に裏切られた少女は猫に救われました

８個めの話 ページ10

なんとか、家に帰った私を迎えたのは、お母さんの声だった


母「おかえ・・・どうしたの！？びしょぬれで・・・怪我もしてるじゃない！髪もぼさぼで・・・なにかあったの？」


お母さんは私の瞳をまっすぐ見てくる


その瞳からおもわず目をそらしちゃった・・・


お母さんにもきっと・・・


がっかりされちゃうから・・・


貴方「・・・ううん、なんでもないよ・・・大丈夫・・・つかれたから・・・寝るね」


私はお母さんから逃げるようにして自分の部屋に行く


部屋に入って、真っ先にベッドに流れ込む


目を閉じて思うのはみんなの笑顔


数時間前にはみんなと・・・今日、日向君たちとご飯食べる予定だったな


で、そのあと美涼先輩がきて・・・・


だめだ・・・


これ以上は思い出したくない・・・


みんなの笑顔とさっきまでの冷たい顔・・・


浮かんでは消えて


消えては浮かぶ・・・


きっと・・・


私はまだ、みんなを信じたいけれど・・・


頭のどこかで声がする


『本当に信じられるの？』


・・・うん・・・


『みんな、あなたを裏切った』


そうだけど・・・


『信じているほうが、つらいでしょ？』


そんなこと・・・


『信じなくなればいいよ！』


え・・・？


『そっちのほうがずーっと楽！』


そうだね・・・・


『みーんなみんな、信じちゃだめだよ！』


そうだね・・・


いつか裏切られるなら


信じないほうが楽だ


そう思うのと同時に私は意識を手放した

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