烏に裏切られた少女は猫に救われました

３９個めの話 ページ46

食堂を見渡す限り・・・


烏野の人の


冷たい


虐げるような・・・


怒りの瞳・・・


怖い・・・


怖い・・・


黒尾「・・・安心しろ、お前は何もやっていない」


貴方「・・・・はい・・・・」


蚊の鳴くような声しか出なかった・・・


なるべく、向こうを見ないようにして


食事のトレーを受け取る


あれ・・・


手が・・・


うまく、動かない・・・


黒尾「大丈夫か？」


貴方「・・・はい」


大丈夫、一人じゃない


戦える


ようやく、手がまともに動き


トレーをもって、席に着く


烏野のほうを見ないようにするため


背中を見せているのに


痛いほどの視線が私を突き刺す・・・


せっかく、おいしそうなご飯も


食欲がなくなって


食べたくなくなっちゃった・・・


黒尾「んだよ・・・」


黒尾さんがスマホを見ながら、何かつぶやいている


貴方「どうかしました？」


黒尾「ん？いや・・・監督から呼ばれた・・・」


貴方「・・・大丈夫ですよ、行ってきて」


大丈夫


そう自分に言い聞かせる


黒尾さんは部長だから


私ばかりにかまってはいられないから


黒尾「・・・悪いな」


黒尾さんは席ををたって食堂から出た瞬間


日向「よくここで食事できるな」


山口「ほーんとだね」


影山「神経がおかしいんじゃないか」


田中「確かにな」


罵詈雑言のオン・パレード


分かっていた


覚悟もしていた


なのに・・・


手足が振るえ


体がどんどん冷たくなっていく


怖い・・・


山口「何とかいいなよ、人殺し」


貴方「痛い！」


思いっきりつかまれた髪


痛みで涙がにじむけど


絶対になかない


この人たちの前だけでは・・・


ガン


テーブルのたたく音が響いて


音のほうを見ると・・・









研磨「・・・ウチのマネージャー、離せよ」






孤爪・・・先輩

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