第21話『謎の少女』 ページ22
「…その子がどうかしたんですか？」
「それが……進藤くんは覚えてるかな？あの教室に阿古田さんって人いただろ？」
阿古田という男は、ヒカルが最初に囲碁教室に訪れた時に、ヒカルとトラブルを起こした人である。
確か囲碁が強く、弱いものイジメをしていた。
「覚えてるよ。確か囲碁教室で結構強い人だよね」
「そうなんだ。阿古田さんは強い。囲碁教室では飛び抜けてね。でも……その人がね、負けたんだよ。その子に」
「えっ…」
負けた？その初心者に？
ヒカルも、もちろんそれを聞いていた和谷もその言葉に驚く。
「え、冗談でしょ？だってシチョウも知らない女の子だったんすよね？」
「あぁ。そのはず、なんだけど…僕が見た碁盤のその女の子の石の運びは、到底初心者とは思えないものだった。それにね、少し……」
そこで言葉を一旦切り、白川はチラリと進藤の方へと視線を向ける。
「……進藤くんと似てたんだ。碁の布石の感じが」
「俺、と…？」
「うん。最初は進藤くんのファンだから似てるのかな…とは思ったんだけど、それにしても初心者のはずのあの子が出来るとはやっぱり到底思えなくて…それで、何か進藤くんと関係あるんじゃないかと思って聞きたかったんだ。あの後、その子逃げるように帰っちゃったから」
白川の話を聞いていた和谷は「へぇ〜」と声を漏らす。
「初心者なのに進藤と同じような布石……それって相当な進藤のファンってことじゃねぇの？なぁ、進藤」
「………」
「……進藤？」
「…あ、ご、ごめん。なんでもない」
和谷は進藤の反応に怪訝そうな表情をし見てくるが、ヒカルはそれを気にせず白川に「ねぇ、白川さん」と話を振る。
「その子、名前は？俺もその子に会いたいんだけど」
「え、あ、あぁ、もちろんいいけど……。名前は文月Aさんって子だったよ、確か」
「文月……A……」
白川の口から出たその名前を呟くヒカルに、和谷は「知り合いか？」と聞く。
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りむる - 続きがすっごく気になる素敵なお話でした！更新待ってます！ (5月14日 23時) (
レス) @page25 id: 85f3bd2ffd (このIDを非表示/違反報告)
漣 - すごい良かったです、続きがすごく気になります！ (2021年8月28日 22時) (レス) id: 264732fb4b (このIDを非表示/違反報告)
ひとみ(プロフ) - 最近ヒカルの碁を読了し、この小説を見つけました。全ての話がとても面白くて、単純に続きが気になります。更新待ってます。 (2020年1月3日 0時) (レス) id: 2ab9522383 (このIDを非表示/違反報告)
莉央 - ヒカルの碁面白いですね。よく観てました懐かしく思い本を借りて読んでます。続き気になりました。 (2018年3月30日 22時) (レス) id: 487e1672d0 (このIDを非表示/違反報告)
ミコト(プロフ) - 続きとても気になります！最新お待ちしております (2016年2月28日 23時) (レス) id: 26c314a162 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：凡子 | 作成日時：2014年1月4日 0時
