億劫なほど/積田長幸 (ページ5)

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なぞらえるのも億劫なほどページ5

正直俺様と彼女の出会いは本当に最悪だった。
昔…高校に通ってた時か？
剛保に爬虫類が好きだとかで仲良くなった図書委員の女がいたのは知ってるし付き合ってはないものの毎週のように俺様を放って遊びに行っているのも知ってた。
俺様の弟ちゃんを奪って行くような女に腹が立ったしそれと同時に無性にあの弟がそこまで俺様ほどに懐き遊びに行く女にどんな魅力があるんだ？と、気になったりもしていた。
だがだんだんと断罪兄弟としての依頼が増え俺様たちは依頼の為学校を休みがちになり偶に見る彼女を俺様も見ることは少なくなり、弟も会う機会が少なくなったとは言いながら学校に行くと必ず二人で話しているのを見かけるほど、弟達は仲が良かった。
だからと言って彼女が剛保以外の奴らと話しているのはほとんど見たことがないしそれは剛保も同じだと言う。
まぁ俺様が学生だった時の彼女の印象は剛保以外と話しているところを見たことのない変わった女ってだけだった。
俺様達も大人になって仕事をしながら弟と義賊なんて呼ばれるような遊びをしたりしながらも
弟と共に強い戦士達と殺し合いをしなければならない大戦を待っていた。
あと1年。
それが俺様達に残された大戦までの時間。
ギリギリまで仕事するとして調整を始めようかなどと考えている時に彼女は剛保に連れられてうちに来た。
彼女、俺様の顔を見て最初に言った言葉が
『あ、積田兄弟のブラコン兄の方も一緒に住んでるんだ』
だったんだぞ？
流石に俺もイラっときて
「はぁ？お前高校ん時の変人女かよまだ連絡取り合ってたんだな」
なんて張り合うように言っちまって、今は彼女の性格を知ってるがあの時は何も知らなかったので急に怒って論破しにきた時は流石の俺様も驚いて動揺した、そりゃ誰でも驚くだろ昔は誰にでもニコニコしてて何も断れねぇお人好しの女が顔をしかめて怒ってくるなんざ想像もしねえしな。
まぁ色々あって最初は喧嘩ばっかりしてた俺様達も弟ちゃんが急に本家に呼び出され二人きりにされたことから俺様達の関係は変わり始め付き合うまでになったって訳だ。
付き合ってみればやはり見えてくるものは少しずつ変わって実は寂しがり屋で自己犠牲の精神で生きてたり、すぐ赤面する照れ屋で。昔抱いていた変わった女だって言う印象は大して変わっていないが今は彼女が死ぬほど好きだって思えるようになった。
この幸せが…ずっと続けばいいのに。

ーーーー大戦まで後1週間。