億劫なほど/積田長幸 (ページ4)

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ただ強がるのも億劫なほどページ4

剛保視点

正直兄貴とアイツの出会いは最悪だったと思う。
俺が飼ってる蛇を見たいって言うから兄貴にも承諾を受け家に呼んだ時が一番初めだと思うが、
俺がアイツと初めて会ったのは随分と昔に感じる。
昔俺達は本家にめんどくさいが学校に行かされていた。
高校まで行き教養を身につけろと言われ
戦いに出向きながら学生をしていた。
実は俺がアイツに初めて会ったのはその高校生の時。
多分兄貴にも会ったことがあるんだろうが本人達には全く覚えがないらしい。
初めて会ったアイツは図書室で爬虫類の本と聖書とかを何冊か机に置いて本を読んでた。
俺が珍しく図書室に来ていたのは理科の教師に爬虫類が好きだから標本を見せてくれと頼んだ時図書室にも資料がありますよと教えてくれたからだった。
探したが見つからなく、図書委員に聞こうと思えば俺のお目当の本はその図書委員が持ってたってわけだ。
そこで俺が「なぁ俺爬虫類の本探してんだけどそのお前が持ってる本以外はねぇの？」
と流石に読んでる途中の本はアレかと思いそう聞くと、『ああ、ごめんね！？爬虫類の本はコレとあと他に数冊しかないんだけどその数冊ももう誰も読みに来ないからって市の図書館に寄付しちゃったの…コレ！私は構わないから読んで！』と静かにしろと注意しなければいけないはずの図書委員が大きな声で言いながら本を俺に渡してくる。
一緒に読めばいいだろと言い彼女の隣に立てかけてあるパイプ椅子を出し座り一緒に本を見る。
俺はボールパイソンが好きだと言うと彼女はメキシカンブラックキングスネースが好きだと言う。
兄貴とは爬虫類の話をしないのでとても楽しい時間で今度爬虫類カフェに行くことを約束したりした。
まぁその高校時代から後も連絡先を交換しちょくちょく二人で爬虫類に時間を費やして来たって言うのが俺とアイツとの出会いで、その後兄貴との出会いにも繋がってくわけだ。
正直俺があの時本をすぐ探しに行かなきゃ、
アイツが本を持っていなかったら、
二人が爬虫類を好きじゃなかったら
きっとこうして遊んでねぇし笑ってねぇから
きっと必然的な出会いだったんだろうとらしくもないことを考えるがまぁ再会…と言うか初めて会った時にすげぇ仲悪かったことを考えるととりあえず仲良くなったのはいいことだが
今はお願いだから目の前でイチャイチャすんのはやめてくれよな兄貴。