全部捨ててもいいよ。 (ページ9)

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8話ページ9

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｢試しに今電話してみ？｣と流星くんに言われ、とりあえずLINEの上の方にいた濱ちゃんにかけてみると、

｢もしもしA？急やんどないした？｣

『…めっちゃはよ出るやん』

｢だって今家やし。それにAからだったらなんやと思うやろ。心配してんねんこっちは｣

濱ちゃんはなんだかんだで一番過保護にしてくれる気がする。WESTの中で一番干渉してくるのは望くんだけど、濱ちゃんはほんとのお兄ちゃんって感じで。

｢で、何の用や？｣

『あ、えー…と』

流星くんを見上げると｢おねだりしてみ｣とニヤつきながら言われる。

『あんな、私今度東京住むねんけど、家具なんもなくて…ソファとか欲しいんやけど』

｢おー…は、？！？東京！？え、？｣

いやそこかい。

｢えっちょっどゆことや、え仕事？関西どないするん｣

『関ジュ卒業した。東京のJrのTravis Japanに入る。せやから、滝沢歌舞伎の南座公演が終わったら東京住むの』

｢……ちょ、まって。整理さして｣

思った以上に混乱させてしまったみたいだ。

それもそうか、私が東京のグループに行くなんて。

7人や優馬くんがまだ関西にいた頃は、歳上の子達に囲まれてまいジャニに出させてもらったりして可愛がってもらってた。
今思えばものすっごい高待遇だったと思う。

楽しかったな～収録後に皆で買い食いしてファンの子に見つかってマネージャーさんにしこたま怒られたの。

田野口さんが送れない日はお兄ちゃん達が家までわざわざ送ってくれた。親も不在だった日は家に泊めてくれたり。…その後田野口さんにはめちゃくちゃ怪訝な顔されたけど、
そういうのもなく、本当にただ、大好きだった。

関西を離れ東京のグループに入って、物理的には近くなったはずなのに、どこか遠くなってしまう気もした。