19話 ページ22
歌舞伎の稽古に向かうための新幹線に乗りながら、ふと自分の名前をTwitterで検索してみる。
エゴサはやめろって田野口さんにも散々言われたけど、こんな仕事してれば気になるのなんて当たり前だし、特に、今日は。
分かってはいたけど否定的な意見の方が多い。でもその中に、前向きに捉えてくれる人も居て。
別に、何を言われようと私にとってはもう慣れたことだった。
大事なのは、入って何が出来るか。結果をどう残せるか。それだけだから。
なんて考えて少しだけしんみりしながら目を閉じた。
：
｢あれAは？｣「滝沢歌舞伎の稽古行ったよ」｢え、めちゃくちゃハードだね｣
全員揃った挨拶の後、取材を終え昼食を取ろうとした中村がそう呟く。｢すげーなやっぱ｣
｢でもやっぱまだ固かったね｣｢そりゃそーだろ｣
先に食べていた七五三掛と吉澤もそう呟く。
｢いくら面識あるって言ってもな｣｢でもしずの方が緊張してたじゃん笑｣｢それ言うなって｣
そんな中、一人上の空な松田を見かねた松倉がそっと｢…Aと2人で喋った？｣と小さく聞く。
｢あー…1週間くらい？前に、電話した｣
｢あっそう。もう同じグループなんだから変なことすんなよ｣
｢しないって。てか変なことってなんだよ｣
どこか苛立っている松田。
｢そういえばこの中だとまつくが一番Aと仲良いよね｣
｢あーまあ、SHOCKでずっと一緒だったから｣
｢会議中もまつくにばっか聞いてたし笑 いいなー｣
｢お前それ関係ないだろしめ｣
その会話を聞いてまた不機嫌になる松田を見て松倉がとっさに話題を変える。
｢そういやさ、今度の単独で一人一人曲プロデュース？みたいなのすんじゃん。A何やんだろーな｣
｢可愛い路線だと俺被っちゃうなぁ｣
｢それはヘーキでしょ｣
｢早くリハしてーな｣
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作者名：みー | 作成日時：2020年12月26日 1時
