14話 ページ15
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ちょうど去年いっぱいで退所した美勇人くんと、入れ替わりのようにトラビスに入った私。
なんだか奇妙な話だとは思う。
「もうちょいAが入んの早ければ仕事でも一緒になったかもな」
『めちゃくちゃ返しにくいんやけど、ブラックジョークやん』
「そんなんじゃねーっての」
サワーを煽った私に「お前呑んでいいのかよ」って怪訝な目で見てくる。
『…一応もう成人しとるんやけど』
「へ?あー、まじで勘違いしてたわ」
『なんなんほんま!いつまでも子供やと思っとるやん』
「俺の中じゃいつまでもちっせぇままだよ」
『…おじいちゃんみたいなこと言うなほんま』
「うっせ。てかじいちゃん元気かな」
そのまま身内の世間話に花が咲き、食べることすらやめて2人でひたすらに話してた。
『お母さん、めちゃくちゃ悲しがってたで。美勇人くん辞めるって聞いて』
「やめろってそういうの聞くと悲しくなるわー」
『…この後、どうするん?』
「ま、一応は色々決まってる」
遠い目をして呟いた美勇人くんを見て、それ以上は詮索しないようにした。
「で、もう顔合わせとかはしたんだろ?どーだったよ」
『あー…忙しくてまだ全員とは会ってへん。こないだのあけおめに宮近と如恵留くんは来てたけど』
「ふぅん…」
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作者名:みー | 作成日時:2020年12月26日 1時