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このメンバーで表情が出やすいのは福井君くらいのようだ。
彼はきっと素直なのだろう。
それが悪いわけではないけど、きっと損するタイプだろうな。


福「みたいって…」


黛「確かに1年の時はずっと1人でいたよな」


貴『でも、いつからか私の隣に誰かいた』


早く思い出せたら何か分かるかもしれない。
【6-2】で見た私の記憶の再現がどこかの教室にもあるかもしれない。
そんな淡い期待を胸に黛が私と行動して見つけた物について説明し始めてくれた。
もちろんあの教室で見た私の記憶の再現も。


福「傷害事件だろ、それ」


説明をして今に至るところまで話した後に福井君の一言。


貴『うん、確か新聞に載るくらいの傷害事件だったはず』


ぼんやりとその新聞を読んだ覚えがある。
一時期、校門前に野次馬が集まっていたような気もする。
あまり覚えてないけど。


貴『この学校を調べていけばここに集められた理由や、私の記憶のことも何か分かるかもしれない。だから…』


私は持っていた鍵を今吉君に向かって放り投げる。
それを難なくキャッチする今吉君。


今「今は散策をするのが一番やな。どこも安全なわけやないし」


福「同じ場所に長居は出来ねえな。そうと決まればすぐに行くか」


貴『そういえば、どうして体育館はあんな悲惨なことになってたの?』


今「それは移動しながら話すわ。で、月城さん…同い年やし親しみ込めてAでええ?」


福「あっ、俺もそう呼んでいいか?俺のことは健介でいいし!」


貴『なんでもいいよ』


自分が呼ばれていることが分かる呼び方なら問題ないし。


黛「おい、さっさ行くぞ」


今「早よ行ったら説明出来んやろ〜」


あれ?黛なんか怒ってる?
不思議に思いながらも私達は保健室を後にした。



東校舎の3年の教室へと向かう途中に、今吉君が手短かつ簡単に体育館の悲惨な状態について教えてくれた。



赤司君達が保健室から戻ってきた後に黛がいないことに気づき、呼びに行こうとしたら突然獣の姿に近い化け物が体育館に無理矢理入ってきたそうだ。



全身が影のように真っ黒で目がどこにあるのかわからないのにこちらの姿を捉えているような動きをしていて、手と爪が異様に大きかったという。
だからあんなに大きな爪痕が至るところに残っていたのか。


今「それからもうパニックになってしもうて、みんなバラバラや」


福「で、たまたま同じ方向走ってた俺らは、保健室にいたわけだ」

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サイガ(プロフ) - 睡-スイ-さん» コメントありがとうございます。頑張って修正しますのでお楽しみにお待ちいただければと思います。 (2019年11月7日 22時) (レス) id: 9c794300d7 (このIDを非表示/違反報告)
睡-スイ- - サイガ様の脱出シリーズ、書作の更新時からずっと楽しく拝見させていただいてます!修正などって大変ですよね、再構成から入りますし…ゆっくり、サイガ様のペースで構いませんので更新、完成を楽しみにしています!! (2019年11月7日 11時) (レス) id: 471e0d1ff2 (このIDを非表示/違反報告)
サイガ(プロフ) - LiLiToさん» コメントありがとうございます。今修正を行っているため鍵付きにしております。 (2019年10月4日 7時) (レス) id: 9c794300d7 (このIDを非表示/違反報告)
LiLiTo(プロフ) - この作品の2と3が鍵付きなのですが解除パスってないのでしょうか? (2019年10月3日 5時) (レス) id: 41e08bc415 (このIDを非表示/違反報告)
CHIHO(プロフ) - 全然大丈夫です!ゆるりと気長に待ってます!! (2019年8月30日 9時) (レス) id: 6e1910104e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サイガ | 作成日時:2015年7月20日 22時

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