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黛「月城、情報交換はこっちでやるからお前は休んで聞いてろ」


貴『うん、ありがとう』


ちょうどその時、ソファーに座っていた古橋君が何も言わず立ち上がり席を譲ってくれた。


貴『ありがとう』


古橋君は何も言わずただ頷き私の頭を撫でた、無表情で。
撫でる必要はどこにあるのだろうか?
無表情で撫でられるのはすごく怖いんだけど…。
不思議に思いながら古橋君を見つめていると彼は満足気に私から離れた。
せめて何か喋ってくれたらな…。
私も私で追求せず黙ってソファーに座った。


黛「月城と2人でメモと鍵を見つけた」


貴『あの、ほんと、ごめんなさい』


そう伝え、私は持っていたメモと鍵を出した。



メモは2枚あるけど、黛が持っていろって言ったあのカードは出さないでおく事にした。
私が彼らに見せた青のカード、



《キッカケを作ったのは貴女。元凶なのは貴女の存在。貴女のせいでみんなが傷つく》



今「キッカケを作った…。なるほど、せやから謝ったんか」


頷けば今吉君の持っているメモを覗き込むように見ていた福井君が盛大なため息を吐いた。


福「お前、責任感じてねぇだろうな?」


貴『だって、私のせいでみんひゃぁぁ…』


そこまで言うと福井君が突然私の両頬を引っ張った。
そのせいで変な声出てしまった。


貴『いひゃい…』


福「1人で背負うな。別にキッカケがお前でもここに連れられたのはそれぞれ別の理由があるからだろ」


と、頬を引っ張った後に手刀で頭を殴られた。


今「せやろうな。あんま抱え込まんようにせんといつか壊れんで」


貴『…ありがとう。でももう手遅れだから』


私の心はもう壊れている。
さっき思い出したトラウマがキッカケだったのか、その前からだったのか…。
そこは覚えてないけど、いつからか人間不信にはなってた。
でも少しずつ誰かと関われるようになってたんだと思う。
そうじゃなきゃ黛と仲良くしてない。



黛と仲良くなれた理由はわからないけど高1からの付き合いってのはわかっている。
とことん私は大切な事を失ってしまっている。


福「それってどういう意味で…」


今「聞かん方がええんちゃう?踏み込んでほしない領域ってあるやん」


どうやら今吉君は人と人との距離をわかってくれているみたい。


貴『ありがとう。記憶がなくていろいろと曖昧なんだけど、どうやら私は人間不信みたい』


困ったように笑えば福井君は悲しそうな顔をした。

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サイガ(プロフ) - 睡-スイ-さん» コメントありがとうございます。頑張って修正しますのでお楽しみにお待ちいただければと思います。 (2019年11月7日 22時) (レス) id: 9c794300d7 (このIDを非表示/違反報告)
睡-スイ- - サイガ様の脱出シリーズ、書作の更新時からずっと楽しく拝見させていただいてます!修正などって大変ですよね、再構成から入りますし…ゆっくり、サイガ様のペースで構いませんので更新、完成を楽しみにしています!! (2019年11月7日 11時) (レス) id: 471e0d1ff2 (このIDを非表示/違反報告)
サイガ(プロフ) - LiLiToさん» コメントありがとうございます。今修正を行っているため鍵付きにしております。 (2019年10月4日 7時) (レス) id: 9c794300d7 (このIDを非表示/違反報告)
LiLiTo(プロフ) - この作品の2と3が鍵付きなのですが解除パスってないのでしょうか? (2019年10月3日 5時) (レス) id: 41e08bc415 (このIDを非表示/違反報告)
CHIHO(プロフ) - 全然大丈夫です!ゆるりと気長に待ってます!! (2019年8月30日 9時) (レス) id: 6e1910104e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サイガ | 作成日時:2015年7月20日 22時

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