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階段をゆっくりと上って3階までくると、そこはもう6年の教室があるフロア。


黛「6年1組…1組だったのか?」


その問いかけに私は首を横に振った。


貴『うーん。覚えてないかな。黛は自分が何組だったか覚えてる?』


黛「忘れた」


と、即答で返された。
小学校の頃の良い思い出も嫌な思い出も一部なら覚えているけど大半は忘れている。



交友関係なんて尚更覚えてない。
中学は部活が陸上部だったことや、授業で習ってきたことは覚えているのに何か大切な事を忘れてしまったような感じだった。



高校では1年の頃から黛とは同じクラスで、他人と比べてみると仲の良い方だし、陸上は続けていることは覚えているけど大きな存在を忘れてしまったような感じだった。
記憶の大半が欠如してしまっている気がする。


黛「で、何を調べたいんだ?」


貴『あ、えっと、私の通っていた学校なら、私に関係していることが何かあるはず、多分だけど』


黛「探すのか。…無理はするなよ」


何もアテはないので、とりあえず最初に1組の教室から調べることにした。
自分が何組だったか覚えてないから、机の1つずつを調べていくしかなかった。
手分けして端から順に机の中を見ていく。


黛「月城」


名前を呼ばれて顔を上げると黛がこちらに何かを差し出さしてきた。
それはここで何度か見ているカード。
これは青いカードだった。



《キッカケを作ったのは貴女。元凶なのは貴女の存在。貴女のせいでみんなが傷つく》



そう書いてあった。


貴『…私がみんなを…巻き込んだのかな?』


ずっとネガティブな気持ちだったのが、さらにどん底へと下がっていく。



私のせいだったら、みんなに合わせる顔がない。
俯きギュッと強くカードを握りしめればカードはグシャと曲がってしまった。
でも今はそんなことを気にしてられない。
あれだけ優しくしてくれたのに、私はみんなを巻き込んでしまったのか…。


黛「月城」


貴『…』


顔を上げるとペシッと突然、黛が私の額を指で弾いた。
じんわりと額に熱が広がる。


貴『っ…』


黛「そこに書いてある【貴女】がお前だって、決まったわけじゃねぇ。そんな顔すんな」


貴『で、でも…』


黛「カードはそれぞれ色に分かれてた。赤、白、青、黒。これが何を意味しているか知らねぇし、それが分かってから考えろ」


カードの色分けなんて私にはわからない。
どうしたらいいのだろう?

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サイガ(プロフ) - 睡-スイ-さん» コメントありがとうございます。頑張って修正しますのでお楽しみにお待ちいただければと思います。 (2019年11月7日 22時) (レス) id: 9c794300d7 (このIDを非表示/違反報告)
睡-スイ- - サイガ様の脱出シリーズ、書作の更新時からずっと楽しく拝見させていただいてます!修正などって大変ですよね、再構成から入りますし…ゆっくり、サイガ様のペースで構いませんので更新、完成を楽しみにしています!! (2019年11月7日 11時) (レス) id: 471e0d1ff2 (このIDを非表示/違反報告)
サイガ(プロフ) - LiLiToさん» コメントありがとうございます。今修正を行っているため鍵付きにしております。 (2019年10月4日 7時) (レス) id: 9c794300d7 (このIDを非表示/違反報告)
LiLiTo(プロフ) - この作品の2と3が鍵付きなのですが解除パスってないのでしょうか? (2019年10月3日 5時) (レス) id: 41e08bc415 (このIDを非表示/違反報告)
CHIHO(プロフ) - 全然大丈夫です!ゆるりと気長に待ってます!! (2019年8月30日 9時) (レス) id: 6e1910104e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サイガ | 作成日時:2015年7月20日 22時

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